さあさ、みなさんお立ち会い~♪
お待ちかねのっ、「コテージガーデンぐらし」名物、解体珍書だよっ!
あれっ? 今日は何をやるんだったけな?? バナナか? バナナの叩き売りか????
・・・・・・、おおっと、あぶねえ~、思い出したよっ! バシッ!(額をたたく音)
なあ、あじさいだよなっ、あじさいだったよなぁ!
おらぁ、しば~じゅって奴の陰で眠る第三の人格なんでぇ~
第二があの真っ黒いおしゃべりカラスだろ、おらは3番目。
あんまり長く眠りすぎたので、ボケちまったわい!
昨日起こされ、明日はあじさいだって聞いたんだけどよ、
半分おねむのおつむにゃ、半分しか届かなかったってことだぁな。
思い出せて、良かったぜ! そんじゃあ、始めるぜぇ!
さあさ、みなさん、お立ち会い~! 解体珍書 の始まりだ~い!
今日のお題は、あじさいだよっ!
紫陽花のなかでもよっ、山紫陽花の仲間だい!
その名も青覆輪清澄沢!!
おっ、お客さん、読めたかい?! さすがだねぇ! 博識だねぇ!
しば~じゅっていう奴はよ、アオフクリンセイチョウザワなんて平気な顔して読んでんだぜ~
笑っちゃうよな! へそが茶を沸かすぜ、ったくよ!
まっ、仕方ねえか・・・・・名前を突き止めるのえらくてこずっていたからよ!
突き止めただけでも、エライってことだぜ。
アオフクリンキヨスミサワって、読んだお客さん、さすがだねぇ!
青覆輪清澄沢は清澄沢を片親に持つ園芸種だぜ~。
清澄沢は、赤覆輪だけどよ、こいつは青だ!
青の出方は、土壌によって差がでるらしいねぇ。
おっと、覆輪のことはあとにまわしてよ、まず、葉っぱっから、行くかい。
葉っぱの色が、実にいいんだぜ! おらの好みだねぇ。
5/20撮影
展葉から、蕾が上がるまでは、カラスの濡れ羽色~♪
黒々としてんのよ♪ こんな色を烏葉って言うんだとさ。
あっ、あの小憎らしい番鳥って野郎を オモイダシチマッタゼ・・・・・・・クソッ・・・・・・。
5/20撮影 
コデマリの白と烏葉の黒々とのこの対比、ぞっこんだぜ!
だけどよ、
それも束の間でよ、
蕾が上がりだすと 黒い色もおさらばさんだ。
枝の先端にちびっとだけ、残ってるのが分かるかね?
おっと、忘れるとこでござんした。
黒いのは、葉っぱだけじゃあないんだぜ!
茎も黒いの分かるかね? 
葉っぱの話はここまでだぁ! とくりゃ、お次は花だっ、覆輪だっ!

山紫陽花といやぁ、額咲きだ!
額縁みてぇによ~、外側をぐるりと装飾花が縁どって、真ん中に小せえ花がびっしりと咲く咲き方だぁ!
蕾の塊は、どの蕾もおんなじように見えるが、そうじゃないっ!!
装飾花は、人目を引く別嬪さんだぜ! 虫目にも別嬪さんだ!!
虫をおびき寄せるのが役目だもんな!
別嬪ぶりに引き寄せられ、知らぬ間にHのお手伝い、子作りのお手伝いをさせられる虫さんだ!
そんなのムシってわけにはいかない、小狡い作戦にまんまと乗せられたムシさんたちだぜ!
おっと、脱線! 覆輪の話だったんだよな、
ナイスなこの1ショット! 装飾花の色の違いと覆輪の様子がおわかりか!
なになに、よくわからない! しゃあねえなぁ~。
んじゃあ、懇切丁寧にご説明いたしやしょ。
完全に開き切り、色は白に
ここまでは、覆輪の色は赤紫
この後、覆輪の色に変化現れる
装飾花と、言ってきたが、なんで装飾花? つまりお飾りかだぁ! 分かったかね?
そうかいお分かりかい! 一応言わせておくんなせぇ~

虫を小狡くおびき寄せるためのお飾りだわな。
ただそれだけが役目の花!
だけどよ、花びらのように見えるのは、花びらじゃないんだぜ! 実は萼なんだ!
萼の真ん中の青くて小せえのが花びらだい! 花びらは4枚だな!
装飾花の蕾と、開いた花だっ!
この頃の萼の色が何ともいえねぇ。 いい色でねぇ~。 淡く滲んだ紫色が絶妙だぜ♪♪
あっ、そうだ。
虫をおびき寄せるだけが役目の花と、さっき言ったがなっ、全くその通りでな、
花は咲いても子は生さねぇ! 人間で言やあ、無卵子症と無精子症だわな!
形はあっても、めしべもおしべも用をなさないんだっ!
つまりだな、オナベかオカマか・・・・・・・・まあ、中性ってことだ!
そんで、この花のことを中性花という!! オホン!
おっ、矛盾してるってか? 子作りのために虫をおびき寄せると言った筈だって?
ちょっと、待ちな、奥さん! 確かにその通りだぜ。
中性花の他に両性花っちゅう、子作り用の花が控えとるんじゃよ!
この両性花は小さくて目立たない!だから、まずはお飾りが虫をおびき寄せるという手段だわな!
ほれ、これが、両性花! 額咲きの真ん中の小さな花の塊ですぜ。
ライムグリーンの蕾が紫を帯びると、間もなく開花~!

小せえけどな、よく見りゃ、こいつだって、なかなかの別嬪さんだぜ!!
前回、斑入りガクアジサイで見てもらった両性花もそういうことだぜ!
おしべとめしべが、かしこまってごさ~る~。
ほら、咲き揃ったぜぇ~♪
青色の おぼろでんぷに見えるこの花を ど接近で見てみなっつうの!たまげるぜ!

吸い込まれそうな藍の花びら5枚、象牙色した葯を持つおしべが10本、花糸は花びらとおんなじ藍だぜ
白く透き通るようなめしべは3本・・・・・・のわけないだろ! めしべは1本だぁ!
めしべの先端の柱頭と花柱が3つに分かれているってことよ!
たった5mmの世界だよ! 完成された美ったぁ、このこというんだろうな!
アハッ、なんか、おらぁ、カッコいいこと言ったみたいだぜ。
そうだ、藍の花びらで思い出した!!
紫陽花の語源の一説は、「集真藍」
あづさあいと読むんだそうだ!
藍色の花が集まったという意味だそうだぜ。
日本原種の紫陽花は、青系だってことだろな。
あれまっ、また、脱線してもうた! 花だ! 両性花だ!

ピンセットでつまんで、横顔パチリ!
ピンセットの先端と 大きさ比べてみぃ! 花がどれほど小せえか、お分かりか!
蕾と花と、花びらが散った後のめしべの三つ割れ先端がお分かりか!
この下を見てみなよ! 装飾花の様に巨大化してない小せえ萼だってあるんだぜ。
なんだ、こいつは? まあ、紛れ込んだ虫はご愛嬌ちゅうことで。。。。。。。
両性花の花が終わる頃、虫を惑わした装飾花も役目が終わる。 だから、ほれっ、この通り

装飾花の色がグリーンに変わる頃、両性花の中にもグリーンのものが、ぽつんぽつん。分かるかね?
三つ目の出目金みてえなこいつは、お察しの通り、紫陽花の果実だぜ!

って、これだけだけどな。。。。。。。
縦割りははっきりしないが、横切りは・・・・・・種子らしきがみえるだろ!
まだ青い果実さね!
剪定せずに秋まで待つと、立派な種子になっている筈だぜ~。
実生からだと、開花まで3年だそうだ!
両性花がグリーンの果実なる頃に、やっぱりグリーンに変わった装飾花。
こちらさんの中性花は一体どうなった?
まさか、果実が出来てるなんてことはあるまいが、念のために確認な。
ほれ、どうだ!
萼からポロリと落ちた中性花。花の跡が残るのみ~♪
装飾花のその後の色の移ろいは、下の通りだぜっ。時計まわりにな。
この後はどうなるってか?
果実も装飾花も茶色の枯れ色に移っていくのみ~~~!
長きにわたり、お付き合いありがとうござんした。
最後は一本締めでまいりやしょう!
いよ~っ、パンッ!!


















