「房総フラワーライン」が再び国道410号に合流し、少し走ると南房総市(旧・白浜町)から館山市(旧・富崎村)に入る。
 国道410号から布良漁港方向に分岐する細い道を下って行くと、05049:布良局に辿り着く。


 しかし、まっすぐに向かえそうな道は、たまたま対向車が来ており、すれ違いも面倒そうな道幅だったため、勘を頼りに若干迂回。

 

 

 局の前には1台分の駐車スペースがあったが、大宮ナンバーの初心者マークを付けた軽自動車が無造作に突っ込んで駐めてあったので、少し離れた所に止めた。
 長閑な漁港なので、そんな場所はいくらでもあるのが救いか。

 「市」が変わったためか、この局からは普通のゴム印がほとんどになってしまう。
 国道410号に戻る坂道を登っていると、小さな理容店が見えた。理容店の看板にあった文字に反応する。
 かつて学生時代、住んでいた下宿近くにあった理容店では、理容の専門学校に通い、理容師になろうという「国家試験前後」の若い人たち(ほぼ同世代)が、日中は理容店の補助業務に(資格取得後ある程度で徐々に「営業」も)当たりながら、夜間に技術習得のための実地訓練をしていた。
 筆者はそこで、就職する(定収入ができる)まで「カットモデル」として、無料で髪を切ってもらっていた。要するに「練習台」なのだが、無料だし、最後にはベテランが「手直し」をしてくれるので、それで充分だった。
 現在も、その理容店には通っている(電車で片道1時間以上ではある)のだが、今は当時のような「若い衆」はいない。
 その当時、そこで「修行」していた人に同じ名前の人がいて、確かこの辺りの出身だったと聞いた記憶があるのだが……と思い出した。立ち寄っている時間はなかったのだが、あとでその「いつもの理容店」で訊くと、確かに「館山だったよ」とのこと。しかし、よくよく調べると微妙に場所が違っており、店舗と自宅の場所が違うのか?とも思ったが、別の場所(でもかなり近く)で営業していることが判明した。もしかすると、親類縁者なのかも知れない。
 あまり聞かない苗字なので(この辺りには多いのかも知れないが全国で1千人ほどしかいないらしい)、もしや、と思ったのだが「ニアピン」だったか。これが「サトウ」や「スズキ」なら思い出してはいないだろう。

 国道410号に戻って北上し、今度は旧・神戸村にある05287:神戸局へ。

 

 

 ここも、局舎前に2~3台程度が縦列駐車できるようなスペースがあるのだが、タイミングが悪かったのか埋まっており、駐める場所を探すのに難儀する。


 読み方は「かんべ」で、流石に「こうべ」ではなかろう、と思ったが「ごうど」などとは迷う。

 神戸局から引き返し、相浜交差点から右折して「房総フラワーライン」を辿ることにする。
 次の郵便局に行くには、若干大回りではあるが、せっかくなので「最西端」の「洲埼灯台」などを眺めておこう、と思った。

 ところが、暫く走ると「RECAMP館山」というキャンプ場の手前に「通行止」の表示と「迂回路」の案内が出ていた。
 この先「平砂浦ビーチホテル」までの間は、強風による飛砂が堆積して通行止になってしまうことが往々にしてあるらしい。

 その「迂回路」に行くのなら、先刻の神戸局で折り返さずに、ちょっと先の藤原交差点から左折したほうがわかりやすかったのだが、仕方ない。
 また、迂回路を使って平砂浦ビーチホテルの先に出るのなら、その途中で北に向かって進めば、次の局までの「近道」にもなる。
 色々と考えてはみたが、今回は洲埼は諦め、テーリングを優先することにしよう。

 洲埼の手前を「ショートカット」するような細い道を進むと、「房総フラワーライン」と交差する手前に05098:西岬局があった。

 

 

 局横の狭いスペースには「駐車禁止」という表示やカラーコーンが置かれているのだが、着いた時にはその前にエンジンをかけっぱなしの軽トラが停まっており、それ以外に駐車スペースはなさそう。
 少し先に、ちょっとした無舗装ながら広い空地があり、そこならば邪魔になるまい、と思えたのでお邪魔する。よく見ると、その一角にジェイアールバス関東のバス停があり、どうやら今通ってきた細い道を路線バスが走っているらしく、ちょっとびっくりする。


 そう言えば、白浜町周辺は、国鉄バス時代から路線網が発達していたと記憶している。

 ゴム印は、館山市内では珍しく「洲埼灯台」だというイラストと、一行目に「海螢の里南房総館山」というフレーズが入ったものを用意していた。


 局名の読みは「にしざき」で、ここは館山市に編入される前は、洲埼まで含めて旧・西岬村だった。

 局前の道を更に少し進むと「房総フラワーライン」県道257号に出たので右折。
 館山の市街地が近付き、「内房なぎさライン」と称する県道250号が海側に分かれても、そのまま県道257号を進む。

 

 

 暫く走ると、右側に05212:館山柏崎局があり、局前に3台分ほどの駐車場が見えて、左端が1枠空いていたので、対向車の切れ目を狙って、バックで突っ込む。

 ここで、通算7,260局になった。
 時刻は15時になろうとしており、あと3~4局行けるかどうか。
 行程を考えるとすれば、この先の館山市の中心部に残る7局ほどの中からどう組み合わせるか、だろう。

 (つづく)