昨年暮れに、千葉県館山市にある05170:九重駅前郵便局が「移転・改称」するという発表が出された。

 


 少し離れた所にオープンする「道の駅・グリーンファーム館山[12030]」に移転するため、「九重駅前」から「グリーンファーム館山内」郵便局へと改称するらしい。
 鉄道の「文字通りの駅(前)」から「道の駅」に「乗換」するのか、というのは感じるところだが、新局名には「駅」の文字が入らないのが何とも。
 道の駅のオープンは2月16日(金)らしいが、郵便局は1月29日(月)から移転して営業するとのこと。

 実はこの局、3年半前に「スルー」してしまっていた。

 

 

 鴨川市にあった05069:江見郵便局が、JR内房線・江見駅の駅舎を兼ねた建物に移転し、JR東日本の駅業務の一部も受託するという形で「江見駅郵便局」と改称してしまうことを受けて、改称前に「駆け込み訪問」をした時のことである。
 館山駅前でレンタカーを借りて向かったものの、主目的が江見局だったため、途上の局は言わば「ついで」に過ぎず、館山市街地については「駅から遠い所だけ拾おう」と考えたため、九重駅から至近にあるこの局は「今度でいいや」と「先送り」されてしまったのだった。

 

 
 「廃止」ではなく「移転改称」なので、為替貯金取扱局番号(局所コード)は変わらないから、通常の場合だと「どうしても都合が合わず行けない」とかなら諦めも付くのだが、このような「過去の過ち」があるため、気になって仕方がなかった。
 今年度は、長男が部活で「全国大会」に出場したり、修学旅行も医療処置の関係で「随行」しなければならず、またPTAでも「副会長」になってしまったので、そちらで休暇が多くなっており、なかなか日程調整が難しかった。
 それでも何とか「1日」を捻り出せた。

 最初は、半日で何とかならないか、と考えた。
 勿論「午前半休」は現実的ではないので「午後半休」でシミュレーションする。

 例えば、横浜駅12時24分発の1136S~1137F(千葉以遠は4137F)君津行で出ると、君津には14時30分着。君津14時37分発の上総一ノ宮行3139Mに乗れば、15時41分に九重に到着できる。
 九重駅前局は、まさに「駅前」なので、下車後2分もあれば行けるのだが、最早そこまで。次に九重駅から発車する列車は(上下とも)16時台になってしまうため、この1局だけでテーリングが終わってしまう。
 また帰りは、と見ると16時31分発の木更津行3142Mがあるのはいいとして、これから乗り継げるのは君津17時36分始発の1778F(千葉まで4778F)東京行。津田沼から東京までのどこかで1832F~1833S久里浜行に乗り換えたとしても、帰宅できるのは20時を過ぎてしまう。
 3142Mの浜金谷着が17時02分なので、金谷港17時20分発の東京湾フェリーには乗れそうだが、久里浜18時25分発の1872Sに乗り継げても、やはり帰宅は19時半頃になる。

 こうなると、やはり1日休むほうが「タイパ」は良かろう。

 その場合、普通に向かうと朝ラッシュ時に都心を通過することになる。
 「裏技」的には「成田エクスプレス13」号で9時28分に千葉に着き、千葉9時39分発の3775F(これは横須賀線内で「成田エクスプレス13」号の1本前を先行する列車でもある)で木更津10時28分発の3131Mに乗り継ぐ……などだが、これでも九重着は11時46分と昼近くなる。

 往路に「東京湾フェリー」を使う場合、平日の久里浜港発は8時20分の次が10時20分。8時20分出航便に乗れれば、浜金谷9時10分発の2127M・安房鴨川行に乗れて、九重には9時42分に着ける。しかし10時20分出航便だと、浜金谷11時09分発の3131Mになるため、東京・千葉経由と同じ結果になる。

 久里浜港8時20分発のフェリーに乗れれば選択肢も多くなるが、その場合、横浜発7時04分の573Sで久里浜着8時01分が「間に合うかどうか」だ。しかし、その前だと横浜発が6時46分になってしまう。

 東京湾フェリーを使うならば、いっそ自家用1号車などで行ってしまってはどうだろう。
 しかしそれでも久里浜までの距離を考えると、7時前には自宅を出ないと間に合わない。フェリーの頻度がもう少し多く、週末の「Aダイヤ」だったら9時25分出航とかもあるのだが、東京湾アクアラインが開通してからは、この程度の頻度でしか運航されていないのだ。
 10時20分出航便だと、金谷港着が既に11時なので、自家用車であっても効率は悪くなろう。

 そこで、自宅を7時半頃に出て、首都高速・湾岸線から東京湾アクアラインを経由してみたら、というシミュレーションをしてみた。
 経験上、この場合だと羽田空港には8時15分前後に着ける。
 つまり、その手前でアクアラインに入るのだから、8時15分には「海ほたる」辺りを走っているであろうことは予想できる。そこから例えば金谷港に近い富津金谷ICまで走ったら、恐らく9時過ぎ、遅くとも9時半までには辿り着けるのではなかろうか。
 それならば、久里浜港8時20分出航便と大差ないことになる。

 そう考えて、今回は自家用1号車で「遠征」することにした。
 一年で最も気温が下がる時季とは言え、北関東ならいざ知らず、南房総方面に行くのだから、特にタイヤの履き替えはしていない「1号車」でも大丈夫だろう(軽自動車の「2号車」は冬季はスタッドレスタイヤに交換している)。
 当日の予報も「晴れ時々曇り」と、問題はなさそうだった。

 ということで、最寄駅まで家族を順次送り届けてから出発。
 横浜新道に上がったのは、8時近かった。
 新保土ケ谷IC・狩場JCTから首都高に入り、神奈川3号・狩場線を通って湾岸線へ。ベイブリッジからしばらく渋滞が発生していたが、川崎浮島JCT手前からは若干スムースに流れるようになった。

 浮島JCTで首都高から東京湾アクアラインに移り、海底トンネルへ。こんなに長かったっけ?と思うが、後で調べたら9.5kmほどもあるらしい。
 トンネルに入ったところで8時30分を回ったくらい。このまま順調に行ければ、最初の「ターゲット」として考えている「安房郡鋸南町」に入るのが丁度9時過ぎになろうか、という感じだろう。
 いざテーリングが始まってしまうと、食事どころかトイレさえも「後回し」にしてしまいがちなので、折角だから、と「海ほたる」に寄っていくことにする。

 平日の朝なので駐車エリアには余裕があり、9時前ではあるが営業している店舗もあった。
 トイレには寄ったが特に店舗は利用せず、展望デッキにだけ上がってみた。

 気温は低いが天気は良く、横浜・みなとみらいの向こうに富士山もよく見える。

 海ほたるPAを出たのは8時50分頃。
 ここからは海上を走る「アクアブリッジ」を通り、木更津金田ICからアクア連絡道に入る。
 木更津JCTから館山自動車道に入った辺りで9時になった。

 前述したとおり、今回はまず安房郡鋸南町に向かうことにしている。

 2020年8月に、移転改称直前の江見局を訪問した際には、館山から東に向かうコースだった。
 過去の訪問履歴もチェックしたが、安房国西部では、この時以外だと、訪問当時(1994年)は安房郡富浦町(現・南房総市)だった05139:富浦局くらいしか訪問していない。
 館山市内も05407:館山国分局くらいで、南房総市についても2020年の時に、丸山、和田、千倉辺りをかじったくらいだ。

 

 

 今回の「主たる目的」が「九重駅前郵便局」であることは紛れもないが、自家用1号車で来ている以上、周辺の未訪局はできるだけ片付けたい。しかし流石に館山・南房総の両市を「完訪」にするとなると、かなり時間的には難しいだろう、と読んでいた。
 また、九重駅前局は「移転改称」なので、結局また来ることになるであろうと思われる。そう考えると、館山市の中心市街地である館山駅近辺などならば、無理に今回巡らなくても構わないように思えてくる(尤もまた改称や廃止の可能性が無きにしも非ずではあるが)。

 旧・安房国のエリアでは、「ゆうちょラリー」的に3ポイントとなる「郡部」は鋸南町だけになっており、しかも全くの手付かずだ。
 更に言えば、町役場のある勝山地区にある05050:勝山郵便局は、近いうちに内房線・安房勝山駅の駅業務を受託する「安房勝山駅郵便局(仮称)」になってしまうと思われる。

 日本郵便のプレスリリースによれば「安房勝山駅敷地内に安房勝山駅郵便局(仮称)を開局し」とだけ記載されているので、一見すると「新規開局」に見えなくもないのだが、昨今の傾向から江見局の時と同様に「移転改称」になる可能性が高い。仮にそうでなく「新規開局」だとしたら、千葉県内でどこかの直営郵便局を「バーター」的に「廃止」することになるだろうが、地域バランス的にはあり得ないと思われる。
 強いて言えば、勝山局が小規模ながらも「299-21」郵便区の集配を受け持っているという面はあるのだが、現在の局舎がちょっと手狭に見えることを踏まえると、移転したほうが良いようにも思える。
 鋸南町の北部は郵便区「299-19」で、こちらの集配業務は05073:保田郵便局が受け持っており、統合する可能性もある(保田局も狭いが)。
 これらを含めて、鋸南町には3局の郵便局があるので、まずはこれを片付けてから、九重駅前局に向かうことにした。

 (つづく)