前日、最後は「冷汗モノ」ではあったものの、どうにか安芸太田町内の郵便局「完訪」を果たせた。

 

 3日目となったこの日は、レンタカーを11時30分までに広島駅新幹線口の営業所に返却し、夜21時くらいに大阪・京橋のホテルで長男の医療処置の対応をすればいいだけである。

 郵便局めぐり「100円テーリング」的にも、「必須目標」と言えるのは、北広島町内に6局残った未訪局を片付けるくらいで、時間的には充分間に合うだろう、と踏んでいた。

 いや、そもそも「山県郡完訪」という「タイトル」は、出発前にも「あわよくば」くらいのつもりだった。これに加えて、既に「世羅郡完訪」も果たしたし、島根県の「53」マルチも確保して、期待値以上で進捗していることは間違いない。

 

 この日のスタートは、ホテルからほど近い51476:千代田南方郵便局からで、ここを9時に訪問して開始、という算段だった。

 

 

 8時45分頃には到着したものの、駐車場らしきスペースがなく、すぐ近くにあった「南方総合センター」という公民館のようなところが開館前の様子だったので、そこに停めさせてもらって待機。

 営業開始すぐに受け付けてもらい、滞りなく終了。

 ゴム印は、普通のタイプの黒インクだった。この後、広島県内では全て普通タイプのゴム印が続く。いや、昨日と一昨日が異常だったと言って良いかと。

 

 広島北ホテルの前を通過し、千代田町の中心部へ。

 少し東に入って、51141:壬生郵便局に寄る。

 

 

 ちょっと奥まった所にあるため、気を付けないと通り過ごしてしまいそうな場所ではある。

 

 壬生局でも滞りなく処理された、と思い込んでいた。

 しかし、次の51048:千代田郵便局で、窓口に通帳を出した時「異変」に気が付いた。

 

 

 いつものように、通帳を開いて「局名のゴム印を……」とお願いした時に、通算記録用の通帳(通称:A口座)にだけ、壬生郵便局のゴム印が押されていないことに気が付いたのだ。

 ……何てこった……\(ToT;;/

 

 取り敢えず、千代田局ではそのまま処理してもらった。

 窓口氏から「どうされます? 壬生に戻られますか?」と訊かれ、この2局は至近で、1kmほどしか離れていないことから「そうします」と答えた。

 

 大急ぎで壬生郵便局に戻ると、千代田郵便局の窓口から連絡が入ってたいたと思われ、局長以下総出で「お詫び」されてしまう。いや、その場での確認(これ重要)しなかった自分もいけないので……。それにしても、今回も局間で30分は走るような区間もあったことだし、そんな所でなくて良かった。不幸中の幸いである。

 

 余談だけれど、このようなケースでも、その日近辺に泊まる、とか帰るにしても16時から時間がある、といった場合には、16時まで通常のテーリングをして、その後17時までに再訪する、という手段も採れると思う。貯金の「処理」自体は必要ないので、ATM預入などと同様に「郵便局の窓口」がどこか開いてさえいればいいのだ。

 しかし、この日はこの後、昼過ぎには広島駅から大阪に向かわねばならないため、その方法は採れない。まあ、これならば最悪(事情が事情だけに)後日「郵頼」もできるかも知れないとは思う。

 

 気を取り直し、国道261号に戻って南下。

 千代田局から3~4kmほどの所に51018:本地郵便局を発見。

 

 

 これまた、この辺りでは随分「古参」と思われる為替貯金取扱局番号である。

 折悪しく、雨が少々強まってきた。

 

 しかし、処理の途中で窓口から呼ばれる。

 何でも、A口座の通帳を処理している時、データ呼出⇒預入処理⇒記帳という流れの中で、預入処理から記帳に移行するところでCTMが不具合を起こして、記帳印字ができないまま終了してしまったらしい。

 この状態になると、原簿上の「現在高」と、記帳済の「現在高」がずれてしまう。勿論、振替やカード取扱などでもこの「ずれ」は起きるのだが、それはシステム上「未記帳残」として管理されるから問題はない。

 ところが今回は、記帳中にトラブルが発生し、データは「記帳」に投げ出されて「未記帳残」とはなっていないにもかかわらず、実際に記帳されているとされたデータが書き換わらずに、このまま次の処理を使用とすると「前残相違」でエラーになる、というのだ。

 これを解消するためには、通帳には「手書き」か「金額器」等で記帳して、記帳済現在高のデータを更新する処理を別途行う必要がある。この際に、余白が残っていても通帳を「再発行」(所謂「繰越」)することが要求されるらしい。

 

 「再発行」は構わないのだが、その「記帳済現在高」の更新がうまくいかず、電話で貯金事務センターに問い合わせしているから、少し時間をくれ、ということだ。

 この時、使用していたA口座の通帳は「64冊目」。

 まだ3頁の前半だったから、3割も消化しないで「終了」となった。

 A口座として使用した通帳では、珍しく「短命」に終わったことになる。

 

 局内にあった椅子には、オリジナルと思われる座布団が置かれていたのが印象的。

 

 結局、1時間近くかかって、どうにか処理が終わった。

 未記帳のままの預入データは手書きとなったが、主務者印等の押印もない。乙号日附印+金額器ならば、まだわからなくもないけれど、手書きでこれでは「本当に郵便局で記入されたのか」わからないのではないか?

 その意味では、この局名ゴム印が、何となく「証拠」っぽくなるのかも知れない。いや、一般的な「証拠能力」は乏しいと思うのだが。

 一応、再発行された通帳の「繰越高」と、元の通帳の最終記帳された「現在高」は合致しているが、元の通帳に「余白」として残った部分に、通常押される筈の甲号日附印は一つもない。唯一、表紙に押されただけであるが、裏表紙の磁気テープには、一部「パンチ」で「穴」を空けられてはいた。

 

 この処理の間に、レンタカー会社に電話して、一時間ほど返却が遅れる可能性を連絡しておいた。最終的な料金は、精算時に「実時間」でする模様で、余裕を見て13時まで「延長」しておきましょう、ということになった。

 

 なお、帰宅して数日後、「ゆうちょ銀行・東京貯金事務センター」から圧着はがきが届いた。

 通帳の「イレギュラーな」再発行が行われたが、心当たりがない取引ではないですね? と「不正」防止対策の一環のようである。普通に(無余白)「再発行」をしたくらいでは送って来ないのだが、ちょっとイレギュラーなので、念のため、ということらしい。

 イレギュラーな再発行ではあったが、紛失によるものではないから口座の「記号」に「枝番」が付くこともなかった。

 

 いずれにしても「貴重な体験」にはなったが、この日のA口座は、壬生郵便局でゴム印を忘れられ、本地郵便局では処理エラーと、散々な日になったか。前日、滑り込みで7,200局に乗せ、安芸太田町の完訪も果たせた「反動」なのかも知れない。

 

 本地郵便局を後に、国道261号を更に少しだけ進み、県道314号に入る。5kmほど西に進むうち、急に晴れ間が広がってきた。そこから県道40号に入って北に進むと、51443:都志見郵便局に着いた。

 

 

 地図で見ると、もっと直線的にアプローチできそうな道も見えたが、ナビの指示に従う。うっかり変な道に入ってしまうと難儀なことになりそうな予感がしたこともある。

 この局名は「つしみ」と読むらしい。旧・豊平町に当たる。

 

 都志見郵便局から県道40号を引き返す。なお、そのまま進むと、前日に行った豊平局に出る。そう言えば、県道40号というのも何度も登場した路線番号だ。

 

 県道38号にぶつかって、右折し西に数百メートル進むと、51291:吉坂郵便局に到着。

 

 

 これにて北広島町、そして山県郡内の郵便局「完訪」である。

 安芸太田町は9局だが、北広島町は16局もあり、合わせると25局と「大派閥」。しかも、今世紀に入って貯金業務を開始した簡易局もあったりして、現在は「貯金非扱」の局はない。

 

 やれやれ、という気になり、目的地を広島駅新幹線口にセット。

 安佐北区に入った広島北ICから高速に上がれ、と出ている。

 吉坂局の少し先で左折すると、路地を通って県道40号に戻れ、それを南下すると国道261号に合流するらしい。

 

 その国道261号に戻ってすぐに、51069:鈴張郵便局がある。

 

 

 いや、前日の安芸太田町から戻る際にも前を通っているため、知ってはいた。

 所在は広島市安佐北区になるが、ここまであからさまに目に入ってしまうと、無視もできないか。

 

 窓口では「次は飯室ですか?」と訊かれたが、そこに寄っていては時間がさらに厳しくなるので、今回はスルーします、と答える。この局は、旧道沿いにあることが判っているので、目に入らずにやり過ごせる。

 

 広島北ICから広島自動車道に上がり、広島JCTから山陽道に入って広島ICで出た。

 アストラムライン沿いを南下して、途中のガソリンスタンドで給油しようかと思ったら、出て来た係員が最初から「カード使えません」と、こちらが訊く前に言い放つ。だったら、最初から看板に書いておいてほしい。駅の手前だから、需要はあると思うのに。

 

 結局、そのまま営業所へ。

 ハイブリッド車なので、それに応じた精算ができるらしい。

 673km走行(48時間でこれはえげつないかも)で、平均燃費が33.2km/Lだったらしい。これに170円台前半だったかの単価を掛けて、ガソリン代としては3,500円ほどが加算された。

 また、結果として返却は12時07分となったが、そもそもの貸渡も11時55分だったためか、48時間12分となり「四捨五入」的に30分が境目なのか、追加料金は発生しなかった。

 

 レンタカーを返却したが、前述したように12時03分発の始発「のぞみ」には間に合わないから、13時03分発を目指して、それまでに広島駅周辺で少しテーリングをしよう。

 

 

 レンタカー営業所への途中でも目にした、51663:グラノード広島郵便局。

 ここは、2020年4月に開局した新しい郵便局のため、当然のように未訪だった。

 窓口には他にも客がいたが、複数の窓口で対応しており、さほど待たずに済んだ。

 

 こうなると、南口側の広島東局改めJPビル局にも寄っておきたい。

 目の前の道路は、新幹線の高架をくぐりつつ在来線をオーバーパスして南口へと通じているようだが、歩道がない。

 歩いてでも駅の向こう側に行けるのか?と窓口嬢に訊くと「地下道があります」とのこと。

 

 仰せのとおり、南側に回って51615:広島JPビル郵便局に辿り着いた。

 

 
 ここは元々、広島駅前にあった広島東郵便局が建て替えて改称したもの。
 広島東局時代には、1987年3月の大学受験後の「放浪」時に、通算104局目として立ち寄っており、かなり古い。
 ただし、1985年の9月までは、ここが51266:広島中央郵便局で、それが現在地に移転した際にこちらが広島東局と改称し、為替貯金取扱局番号も変更になったのだ。
 
 以前から、広島駅前にあって、南口だし、しかも南区所在(さっきのグラノード広島は正真正銘の東区)なのに何故か「東」郵便局なんだよな、と思っていた。
 駅側から来ると、こちらの入口。
 それにしても、広島と言ったらこれしかないのか?
 
 ということで、どうにか広島駅周辺で気になっていた2局も片付けた。
 

 

 あとは、新大阪に向かうのみ。

 乗車券と自由席特急券を購入し、13時03分発の「のぞみ96」号に乗り込む。

 JR西日本区間しか乗らないが、運用はJR東海車だった。