15時45分頃、搭乗開始。
待合室から、エプロンへ徒歩で出て、左折。
先刻、Do228NGが入った0番スポットへと向かう。
スポットでは、これから乗るJA35CAが、扉を開けて待っていた。5機ある新中央航空のDo228のうち(そのうちNGは2機)、最終番号の機体である。
ここで、座席番号順に名前を呼ばれ、その順に機内に入っていく。
筆者は、2番目に「1C」と告げられ、早々と機内へ。基本的に、中央通路の両側に1人掛け席が並び、ドア周りだけ片側2人掛けとか、3人1列(最後尾)となっている。つまり、ほとんどの座席が「窓側」かつ「通路側」になる。そのうち「1C」は、スターボードサイド(右舷側)の窓側最前列、ということになる。
これは、体重が重いせいなのかどうなのか。周りを見渡せば、筆者より重そうな御仁も少なくないのだが……。
全員の搭乗が終わり、15時53分ドアクローズ。結局、定員19人に対し、18人搭乗したようだ。
15時54分、第2エンジンが始動、スターボードサイドのプロペラが回り始めた。15時56分には、第1エンジンも始動。
15時58分に、ブロックアウト。これが出発時刻となる。
ランウェイに出て、左に進み、RWY20エンドへ。南南西へ向けての離陸だ。
16時02分、テイクオフ。ゆっくりと左旋回しながら、上昇していく。
恐らく、これは坪田の集落。そして、更に旋回を続け、御蔵島が見えてきた。
この後は、ずっと伊豆諸島の東側を北上することになるため、残念ながら、スターボードサイドからは島々の姿を見ることができない。が、ポートサイド(左舷側)は西側に面していて眩しいし、各島とも雲を被っているので、よく見えなさそうだ。
さて、この1C席。最前列なので、当然バルクヘッド席だが、足元はさほど広くない。
また、バルクヘッドでありながら、エグジット・ロウ(避難口座席列)でもあるという、ちょっと稀有な設定。
飛行機に乗る時には、やはり足元に余裕があるほうがゆったりするので、バルクヘッドやエグジット・ロウは、空いていれば優先的に確保するが、この機材に関しては、そうでもないか。
なお、通路の反対側1Aは、何故かエグジット・ロウではない。ポートサイドの非常口は、4列目あたりに設けられている。
国内の大手航空会社では、JLではJGC(JALグローバルクラブ)、NHでもSFC(ANAスーパーフライヤーズカード)の会員なので、バルクヘッドやエグジット・ロウの指定が取りやすいが、新中央航空では、そんな資格は持っていない(というか、そんな設定ない)し、そもそも、マイレージも貯まらない(というか、概念がない)。
昨夜も船の中で、碌に眠れなかったので、ちょっと睡魔が襲ってくる。機内を見渡すと、ほとんどの客が眠っている。
ふと、窓の下を見ると、海上に「空母」のような船影が……。
……あれは、もしかすると、「海軍オタク」と化した筆者の父が好きな奴じゃ……。
甲板には、「83」の文字が。これは、海上自衛隊の護衛艦、DDH-183「いずも」に違いない。……って、「あんたもマニアだよ」という声が聞こえそうだ。
そんなことをしているうち、やっとスターボードサイドからも陸地が見えてきた。
どうやら三浦半島のようだ。
さらに進んで、逗子の上空を過ぎ、八景島など見えてきた。
おおっ! これは上大岡。何だか、よく知っているあたりの真上を飛んでいるような気が……。
横浜の中心部も見えてくる。
これは、よみうりランドのような気がする。どんどん高度が下がってきている。
京王閣競輪場。もう、調布への着陸態勢も最終段階。
そして、16時38分。調布飛行場(CHU/RJTF)のRWY35へランディング。
調布飛行場は、ICAOの4レターコード「RJTF」が割り当てられているのは確かなのだが、IATAの3レターコードは、恐らくない。ただし、新中央航空では、予約画面などで「CHU」というコードを表示している。
16時40分。85番スポットでブロックイン。定刻よりも10分ほどの早着となった。
降機すると、急かされるようにターミナルビルへと誘導された。
預けた手荷物を受け取り、新中央航空の空の旅は、終了した。
ターミナル内は、もう出発する便もないので、がらんとしている。
外に出ても、タクシーが数台待っているだけだが、それほど寂しい感じはしない。
フェンス越しに、乗ってきたJA35CAを含めたDo228が並ぶエプロンが見えた。
そのそばに、小田急バスの乗り場があり、17時05分発の調40・調布駅北口行きのバスに乗れそうだ。
やってきたバスは、所謂ミニバスサイズで、空港か乗った客で、ほぼ満員。
途中のバス停では、他の系統が遅れているらしく、このバスに乗り込む人が多い。あっという間に、すし詰めになってしまったが、どうにか調布駅に辿り着いた。
結局、何も食べていないまま帰着したのだが、たまたまバスが止まったすぐそばに吉野家があり、たまらず転がり込んだ。
長いようであっという間の、0泊2日のテーリングは、終了した。
~ この項・完 ~