古前局を後に、歩くこと約10分。
若松駅の構内と思しき風景が広がり、そのうち駅舎も見えてきた。
駅を右手に見ながら、更に進んで行くと、緩やかに左にカーブを描く歩道沿いに、74140:若松駅前局があった。
駅前局ながら、他の客もいないので、淡々と処理が進む。局内で待っていると、局長と思しき男性が入ってきて、「次はどちらへ行かれます?」と訊いた。局名まではチェックしていないが、日本郵便のサイトから印刷した地図を見せて、この辺を時計回りに……と、概略を話すと、「次は、中川通か……この前の道を道なりにずーっと行って、モスバーガーの角で左に曲がれば、2分もかからず着きますよ」と言う。
仰せに従い、歩いてみたが、モスバーガーがやや地味で目立たず、「局長ぉ~、モスってどこよ?」と呟きながら辿り着いた。
その角を曲がって、どうにか74274:若松中川通局に到着。ここも駅前局同様に、少し年季の入った小さな郵便局。ただ、ここはちょこちょこ、他の客が来る。結婚して苗字が変わったから手続きしたいというおねーさんに、簡保の「カタログ」みたいなものを求める婆さん、何やら意味不明なことを言って、窓口氏を困惑させる爺さんなど。
ここにもウォーターサーバの「お試し」があり、また数杯「給水」させていただく。段々、マラソンのようになってきた。
この先、74039:若松局までの道が、手持ちの簡単な地図ではわかり辛い。そのため、適当な所で東に曲がって、あとは「微調整」……と思っていたら、何のことはない、どんぴしゃの場所に出た。最早、100円テーラーとしての「野生の勘」が働いたとしか思えない。
若松局前の道から、若松と戸畑を結ぶ「若戸大橋」が見える。関門海峡の日本海側辺りから入り込んでくる洞海湾によって隔てられている両市街を結んでいる。若松から、北九州市の中心である小倉方面に向かうには、折尾経由の鉄道よりも、若戸大橋経由の車のほうが、圧倒的に便利なのだろう。
かつては、港と筑豊炭田を結ぶための大動脈だった筑豊本線は、古くから複線だった。だが、今や、折尾以北は、完全な「ローカル線」になってしまっている。
若松局は、集配も扱う大きな郵便局ということもあるのか、混んでいて、貯金窓口も5人待ちだった。それでも、ものの20分ほどで終わり、まだ13時半を過ぎたくらいだった。
駅前局までは、多少局と局の間も長かったが、市街地に入ると間隔が短くなり、古くから栄えた市街地であることを匂わせる。尤も、客は多くなく、少し寂しいのが現状のようだ。このままでは、いずれまた
どこかの局が統廃合されてしまうかも知れない。
若松局を後に、また少し(本当に少し)歩くと、取り敢えずのノルマとして考えた最後の74172:若松本町局に辿り着いた。
ここで、通算6,665局になる。まさか、今日到達するとは思っていなかった6,666局目は、次なのだ。
がしかし、もう若松市街でさらに局数を稼ぐのは難しい。他に郵便局がない訳ではないが、そこまで行っていると、タイムリミットまでに駅に戻れなくなってしまう可能性が高いと判断した。
そこで、その本町局から若松駅までの途中にある、「サンリブ若松」という商業施設と図書館などが入った複合施設内にあるATM出張所には寄っていくことにする。
サンリブ若松の前に立ち、振り返ると、そこには「海峡を渡る橋」と対岸の市街地、という光景が拡がった。
こういう風景は、かなり好きである。
なので、すぐ近くの関門海峡もそうだし、例えば尾道と対岸の向島などの風景も、何か駆り立てられるものを感じてしまう。
さて、サンリブ若松の入口には、施設内の案内図が出ていたが、よく見ると……
「郵政省……!?」
いったい、いつの時代からそのままなんだろうか……。
まあ、取り敢えず、ATM(74793:サンリブ若松内出張所)には辿り着いたが……。
一応、ゆうちょラリー用の通帳に千円だけ預入しておく。取扱店番は「74793」と印字された。ちなみにこの出張所、福岡県内の「管理番号」では「0001」とトップナンバーらしい。