ひと夏に一回登場する迷いの壮年①
初夏のこの時期になると必ずかかってくる電話がある。その電話がまたきた。年老いたかすれた声。その時ぴんときた。あの壮年の依頼人だ。
去年、この壮年が依頼してきたのは次のような内容であった。
今、1人で住んでいる家(40坪程度の古い一戸建)に泥棒が入り困っており、現金関係も盗まれていないので警察も相手にしてくれ ないので調査して欲しい。犯人は大体わかっており、実の弟だという。いつも畑に出ているとき(壮年は農家)に裏から侵入して部屋を荒らしていくというのである。頻繁に侵入されているのでこの事実を確認して欲しいという依頼である。
しかし、いくつかの疑問点が残る。
まず、1つに「なぜ何も盗んでいかないのか?」である。依頼人に確認をとる中で原因について大体絞り込んでみた。結論としては、土地などの遺産関係について弟が何かを探っているのではないか?しかし大した土地もなく遺産といえる程のものではないのが現実であった。もちろん他にその理由は見つからない。
次に、「裏の侵入口及び侵入経路について?」。侵入口はガラクタやゴミ類が非常に多くこれらを取り払って中に入り込むことは非常に困難である。また、裏の畑の隠れるという場所も見たが、確かに前後からは隠れることができるが、横の道から丸見えである。本当にこのような侵入経路から入り込むのか見たいものだと思った。
つづく