なんだ!あれは? | 探偵言いたい放題 パート2

なんだ!あれは?

 調査業を行っていると、実に様々なことに出くわすものである。時には、調査と全く関係がないことに遭遇することもある。だから、刺激があり辞められないのかもしれない。
 思えば、あれはそう1989年の秋のことであった。
 自動車販売店(地方で田舎)の営業課長Z君(36歳、既婚)とその部下Pi子(30歳、未婚)は、不倫の関係にあった。依頼人は、Z君の会社からであった。
 このZ君、少々頭の切れるトップセールスマンで仕事はできる男であるが、どうやら、不正行為をしているようであった。
 その不正内容は、単純なものであるが、その手口は実に巧みであった。簡単に説明するとこうである。
 課長Z君が独自に取引をしている中古車ディーラー(A商会)がある。
 課長Z君は、A商会の弱みを色々と握っており、自分のお客様からくる下取りの中古車を伝票上では安く買わせ、実際の買取額との差額を自分のふところに入れるという仕掛けであった。
 つまり、もし、この事実をおおやけにしようものなら、それ以上に打撃を受けてしまうA商会(事業主)の弱みを握っているZ君という関係であった。
 しかも、Z君は、A商会の事業主の弱みに漬け込んで、車を買ってくれる客を紹介するよう暗黙のノルマを与え、紹介してもらっていたのであった。つまり、仕事をしなくてもトップセールスができる仕組みを作っていたのである。A商会は、とんでもない男にはまってしまったものである。「ちなみに、弱みは、人のいいA商会の事業主は、見た目は人柄が良さそうなZ君と酒の付き合いから知り合い、1年間の酒の付き合いの中で巧みに弱みを聞き出され握られてしまったのである。」
 更に、Z君は、そのブラックマネーでアパートを借り、部下のPi子と仕事中も頻繁にアパートでラブロマンスを繰りひろげていたのであった。
 しかも、アパートも人目に付きにくい山々が近くにある場所であった。
 依頼人であるZ君の会社は、A商会との不正について証拠をつかみ、会社に被害がこうむらないうちにZ君を解雇したいようであった。しかし、このような不正の事実を証拠としてつかむには、それなりの手間もかかり、費用もかかってしまう。会社側の予算にも限度があった。そこで、私は、提案をした。


つづく