前回からの続きです。

11月7日

福井から14時過ぎぐらいの普通列車に乗り丸岡駅で下車。ここから丸岡城まで歩けなくもない距離ではあるのですが、30分から40分ぐらいはかかります。

途中、開業前の北陸新幹線の高架をくぐります。

これは蕎麦畑でしょうか。今まで福井県の各地を歩いていると、蕎麦屋がかなり多い印象でした。蕎麦の産地ゆえなのでしょう。

丸岡の市街地にある小学校。黒塀と松の木に囲まれています。立っているのぼりを見ると、開校150周年だそうで、つまり明治時代に開校したということになります。その歴史の重みみたいなものは、私にはなかなか想像がつきませんが、ここで学んでいる子供たちはどのように感じているのでしょうか。

1547年柴田勝豊（勝家の甥）により築城されたようです。最古の天守があるのが丸岡城という認識だったのですが、最近の研究によれば、どうもここが最古ではないらしいです。結局どこの城が最古なのか。

今まで姫路城と松本城を見たことはあるのですが、それらとは異なり、城の中は非常に簡素なつくりでした。古い建築様式で、通し柱がなく1階が2階と3階を支えているのが特徴とことですが、ちょっとよくわかりませんでした。

すぐ近くに「一筆啓上　日本一短い手紙の館」という施設があったのですが、ちょっと時間が遅くなったのでそちらは見ませんでした。今にして思えば時間が遅すぎたため、逆に、見てもまったく問題なかったのですが、まあ結果論です。

ここから東尋坊に行きたかったのですが、どのように行くのがベストなのかよくわかりません。15時40分ぐらいのバスに乗り一度芦原温泉駅へ。

新幹線開業に合わせて、この駅もリニューアルされています。

ここから16時10分発の三国行きバスには間に合わず、16時40分発のバスに乗ります。日没までに東尋坊までつけるかどうか怪しくなりました。途中のあわら湯のまち駅あたりまではかろうじてまだ明るかったのですが、17時過ぎ、東尋坊を通るころには完全に日が落ち、真っ暗になっていました。この時期の日没ってこんなに早かったっけ？こんな真っ暗な時間に東尋坊バス停で降りると怪しまれるような気がしたので、そのまま素通りすることにしました。明日朝、福井を発つ前に再度訪ねることにします。

三国港駅からえちぜん鉄道三国芦原線の電車に乗り福井へ。

えちぜん鉄道福井駅でもやっぱりお前か。福井県内のどこにでもいるので、福井県に来たら、彼を探し訪ねる旅もいいかもしれません。

11月8日

ホテルで朝食をとり、チェックアウト後、再度福井駅から三国芦原線に乗車。

地図で見ると終点の三国港駅から歩けない距離でもないので、そこから徒歩で東尋坊へ向かいます。

三国港駅から少し歩いた場所にある三国サンセットビーチ。

さらにそこから歩くと、有磯（ありそ）遊歩道。

ここからは一般道ではなく遊歩道を歩きます。

向こうに見えるのは越前海岸あたりでしょうか。

右にある道標に西下向遺跡と書かれていたのですが、ただの林にしか見えません。説明書きが何もなく、いったい何がここにあったのか…？

しばらくして東尋坊に到着。

波が岩に砕けて水しぶきを上げています。岩場は滑りやすいので、足元に注意。本当に注意。

ローソク岩と思われる岩です。

輝石安山岩の柱状節理というのだそうで、世界でもここを含めて3箇所しかないようです。

安山岩といえば、中学や高校の地学の授業で、火山岩の一つとして習ったと思います。安山岩、流紋岩、玄武岩のうち、白っぽいのが安山岩だったと思います。アンデス山脈が名前の由来です。

昔、東尋坊という僧兵がいて、暴虐の限りを尽くして人々を苦しめていたのだそうです。その同僚が東尋坊をこの海岸に誘い、酒を飲ませ、泥酔したところを突き落とした、というのがこの地名の由来らしいです。現地の説明書きやインターネットでは、東尋坊は「悪僧」とか「暴僧」とか、なかなかひどい書かれようだったのですが、東尋坊は突き落とした方の坊さんにとって恋敵がだったそうで、少なくとも私怨があったのではないかと思います。死人に口なしという言葉もあり、東尋坊が本当に悪僧だったのかは私にはわかりません。もしかすると突き落とした方の坊さんが自分の行いを正当化するために東尋坊を悪僧扱いした可能性もないとは言えないと思います。私の勝手な想像ですが。

東尋坊タワーに上り、上から海を見てみます。

時間がないので行けませんでしたが、タワーからは雄島も見えました。

この雄島もそうですが、三国の街や越前松島など、周辺に名所が多いのでじっくり歩き回ってみたかったですが、そこまでの時間はありません。また来る機会があるかな…。

バスと電車を乗り継いでいったん福井に戻ります。

ホテルに忘れ物をしていたので取りに行き、ついでに駅弁を購入。

越前かにめし。

せっかく福井に来たのに、ほとんどカニを食べていなかったので、せめて駅弁で。北海道にも長万部有名なかにめしがありますが、それよりはこの越前かにめしの方がおいしかったと思います。旅先のものがおいしく感じられる効果によるものかもしれませんが。ただ、長万部のかにめしは甘めの味付けがなされていて、日持ちするような工夫がなされているように感じられます。こちらのかにめしは足が早そうです。金沢からの新幹線の車内で食べました。

新幹線を含め、私の中に「特急列車に乗ること」イコール「遠くへ出かける」という感覚があり、ワクワクを感じずにはいられません。地元から遠く離れた地で特急に乗れば、そのワクワク感が5割増しぐらいにはなります。それがたとえ味気ないトンネルばかりの車窓だったとしても。今回は必要に迫られて乗っただけですが、それでも案外悪くないと思いました。

次回に続く。

11月7~8日坂井