「TwiGy」
J-RAP界の代表を決めるとしたら何人かが候補に挙がるが、実力だけで言えば間違いなくこの漢であり、それに皆が納得するであろう。
どれだけのリスナーが彼のこれまでの作品に驚喜し、どれだけのリスナーが彼の新作を今も楽しみにしているだろうか。
大人になるにつれ音楽を聞く事がなくなっているのは私自身を含め大多数の人がそうであるはずだ。
しかし周りの同年代のリスナーもそれ以上のリスナーも彼の今回のリリースに関しては情報が早かった。
彼はいつも新しい事を模索し続け、不要であれば過去に積み上げてきたものをあっさりと捨てて、器用に姿を変えてリスナーの前に現れてきた。
新しいスタイルに戸惑うリスナーをNo.1のスキルで納得させ、そのスタイルを我々に根付かせてくれた。
彼のずば抜けすぎたセンス故のスタイルに付いていけなかった自分をアルバム2周目で毎回恥じてしまう。
本作でもやはり「TwiGy」は「TwiGy」だった。
今回は最新TRAP MUSICに挑戦しており、前作のようなアダルトさは少なくなり、「その先の向こう」のようなHIPHOP寄りなスタイルが復活したように感じる。
この RAP RAP した感じがTwiGyに似合うと思っているのは私だけではないと思うのだが、かといって過去のようなハイトーンボイスをやる訳ではなく、やはりそこは、また 「別」 の 「TwiGy」なのだ。
TRAP MUSICの雰囲気に合うように歌詞の内容もDirtyなものが多く、ここ最近の落ち着きは何だったんだよ!!と思ってしまうくらいだ。
そのセンスに魅了されている側からすると、これは進化なのか、それとも実は彼の引き出しの多さが相当なものなのか、どちらにせよ本当に底知れない漢だと感じさせられた。
今回はJASHWON率いるクリエイティブ集団「BCDMG」に所属する「Moito」が全てをプロデュースしており、彼が今回の「TwiGy」を引き出した張本人でもある。
これまでにもiTunes HIPHOPチャートに幾度となくランクインしているプロデューサーらしく、トラックの鳴りや完成度は抜群だ。
一つ残念なことをあげるとすれば若いプロデューサーによくありがちな全曲同じようなサウンドである事だ。
もう少しキャリアを積めばトラップミュージックに縛っても、もう少し表情豊かな作品になるだろう。
それから客演に入っていたRIOが個人的にドツボだった。
YOUTUBEで検索すると、今回と同じくMoitoプロデュースで2曲MVがあり、MCバトル等の動画も!
ハーフ?なのかチカーノのような悪そうなビジュアルとハイトーンボイスで小気味よいフロウで、昔のTwiGyが好きな人はRIOも好きなはずである。
アルバムは出ていないようだがフリーEPもあり、彼を知れたのも今回の作品を買ってよかった点だ。
【TwiGy x Moito / Suck My Trap】
¥1620 (7D RECORDS / 7D-01)

01. WASAWASA Feat. RIO
02. BUGAISHA
03. AMI
04. SUCK MY TRAP Feat. BOOTY
05. SAINAM Feat. DUTCH MONTANA, MOITO
06. WASAWASA (Instrumental)
07. BUGAISHA (Instrumental)
08. AMI (Instrumental)
09. SUCK MY TRAP (Instrumental)
10. SAINAM (Instrumental)
私はまた、「TwiGy」によって青春が終わっていない事を教えられた。
次の休日は押し入れの奥からアナログレコードを引っ張りだそう。
Text by Hidaka Susumu
