*****3歳馬*****
【セルヴァ】
今週に入っても右膝にはまだ熱感が残っており、軽めの運動でしか調整できない状態が続いています。
本日再度のレントゲン検査を行ったところ、患部に大きな変化は確認できませんでしたが、診療所からは事故見舞金の対象日数について全治6ヶ月(競走復帰できるまでの目安)と診断されました。
そのため、管理する大竹正博調教師とも協議を重ねた結果、ここで中央登録を抹消し、再転入を目指してホッカイドウ競馬から再スタートさせることになりました。
なお、美浦トレセン診療所で18日(日)に手根関節周囲のクリーニング手術を行い、その後は一旦、ノルマンディーファーム小野町(福島県)を経由してオカダスタッド(北海道)へ放牧に出る予定です。
「レントゲンの所見からは、昨年末に入厩した頃のものと比較してもほぼ動きはありません。ただ、これだけジックリと調整していっても、進めるとまた右膝部分に熱を持ち、歩様が正常ではなくなってしまう。デビューに向けてはこれまで以上に負荷のかかる稽古を必要とするため、クラブ側とも相談させてもらって判断に至りました。今回のクリーニングと休養は、セルヴァの競走生活を長い目で見てやれば必ずプラスに働くはずです。乗り味や背中の感じからは半兄カルヴァリオに勝るとも劣らない資質の馬。デビューさせられず、このタイミングで遠回りさせてしまうことを大変申し訳なく思っています」(大竹正博調教師)
【アージェス】
11日(日)に坂路コースで4ハロンから1.2秒先行して併せ、56.9-40.6-25.9-13.1を馬ナリに追われ、14日(水)にも坂路コースで4ハロンから0.3秒先行して併せ、55.6-40.1-25.9-13.0を一杯に追い切りました。「本数を重ねる毎に時計も詰まり、それに伴い動きや息遣いも良くなってきましたね。水曜日の追い切りでは今週出走を予定している相手に遅れたとはいえ、抜かれても踏ん張っていました。ようやく及第点を出せるところまで仕上がってきたと思います。今週末と来週の追い切りの内容次第でデビュー戦を決めましょう」(中竹和也調教師)
【クイーンズトゥルー】
「現在は角馬場で長めのダクと本馬場でキャンター1600mを1セット(上限20秒ペース)のメニューで調整中です。入場当初は張り気味だった両前の球節は小康状態を保っているものの、飼い葉食いが今ひとつ。いかんせん体がまだ細いですね。レース体重にも届いていないだけに、今後は飼い葉をしっかり食べてくれるように試行錯誤しながら馬体増を促し、数字の裏付けが取れたところでペースアップを図ろうと思っています。華奢な割にトモのボリューム感は落ちていませんし、動きにも素軽さがあり、血統通り能力を秘めているのを感じます。あとはもう馬体が戻るのを待つだけですね」(担当者)
【シーデイライト】
15日(木)にWコースで5ハロン68.1-52.6-39.4-13.9を単走で馬ナリに追い切りました。「やれば時計はいくらでも出せるタイプ。それくらいポテンシャルの高さを持っている馬ですが、乗り役とのコンタクトが上手くいかないと稽古でも頭を上げてしまってロックがかかってしまう。うちの厩舎はウォーミングアップを角馬場に入れて集団調教で行うのですが、シーデイライトだけはまだテンションが必要以上に上がってしまうため、他と同じペースでハッキングをこなすことができない現状。追い切りに関してもまだ、乗り役と馬とでどちらが譲るかといった具合ですので、鞍上を固定しないと一回一回が危なっかしい。冬毛が抜けつつあり、コンディション自体も上向いているので、なんとか今回は怪我なくデビューまで進めたいところです。順調にいけば、3/31(土)中山・3歳未勝利(ダ1200m・牝)でデビューさせたいと考えています」(栗田徹厩舎)
【ブリリアントリリー】
「気を抜く場面も少なくなってきて、だいぶ常識にかかってきましたが、前半で脚を使っているため最後の坂で苦しくなっていた。それでもバテてはいなかったし、大きくは負けていない。一戦一戦、競馬の内容は良化していると思います。『平坦小回りのコースならもっと粘り込める』と鞍上からの進言もあり、美浦に戻ってきてからもレースのダメージはそれほど残っていない様子なので、このまま在厩で福島開催を目指したいと考えています。節の関係で出走が叶うかは微妙なラインですが、4/08(日)福島・3歳未勝利(芝2000m・牝)に向かいたいですね」(栗田博憲調教師)
【ラズワルド】
松風馬事センターで順調に調整され、10日(土)に帰厩しました。
11日(日)に坂路コースで4ハロン60.8-45.8-30.0-14.7を単走で馬ナリに追われ、14日(水)にはWコースで5ハロンから併せ、68.6-53.0-39.8-13.0を直線一杯に追い切りました。「併せたパートナーはウッドでは動くタイプでないというのもありますが、相手と比較してもずいぶん動けていますよ。跨った原田は『抜け出すとふわっと気を抜くところがありますが、動きはいいですね』と好感触のようでした。前走では気難しい面を出しましたし、その辺りはじっくり時間をかけて矯正していく必要があるのを感じています」(清水英克調教師)
【ヴァイスブリッツ】
16日(金)に北海道・オカダスタッドへ移動しました。
長距離輸送による疲れや熱発もなく、無事に到着しています。しばらくの間は舎飼にとどめて、患部の経過観察をおこなっていきます。
*****4歳馬*****
【コンパッシオーネ】
前走のレース後も馬体に異常なく、次走は3月26日(月)からの大井開催での出走を予定しています。
【プラチナムバレット】
「現在は600mの馬場をハッキングキャンターで1800m、坂路コースを1本(ハッキング)のメニューで調整しています。河内厩舎を担当している獣医さんから『左前の膝が張っていた』と言われていましたが、こちらに来た当初からそのような感じはなく、治療や特別なケアをする必要はなさそうです。レースの疲れや傷んだ様子も見られないことから、今週末には18~20秒ペースまで引き上げる予定。様子を見ながら徐々にペースアップを図っていくつもりです」(担当者)
【ソルオリーヴァ】
「15日(木)に半マイル52秒台で追い切った際、左前肢と左後肢が落鉄しました。幸い歩様が乱れるようなことはなく、前走で外傷を負った左前の蹄叉も順調に回復していることから、翌日に蹄鉄を打ち替えた際、左前もブリッジ(鉄橋蹄鉄)ではなくノーマルの蹄鉄にしました。左前の蹄叉に関しては、もう心配は要らないと思います。再来週の第28回名古屋開催の最終日(3/30)に向けてジックリ乗り込んでいくつもりですが、昨日の動きを見てもあと何本か追い切れば態勢はキッチリ整うでしょう。なお、鞍上は引き続き岡部誠騎手に依頼しており、現在は返事待ちの状況ですが、先週の中京競馬でクラブの馬(グランティエラ)に騎乗していましたし、よっぽどの有力馬を頼まれない限りは受けてくれると思っています」(今津博之調教師)
【ホウロクダマ】
この後は美浦トレセン近郊のNSRで調整することになり、16日(金)に移動しました。
「大きく出遅れたわけではありませんが、ここから上のクラスでは少しのロスでさえ致命的。人気はありませんでしたが、このクラスでもある程度やれると思って楽しみにしていましたし、目処の立つ内容であって欲しかったですね。年明けに帰厩し計3戦を消化してきた疲れを取るため、本日、放牧に出させていただきました。夏季競馬の降級前になんとかあと1勝を挙げられればと思っています」(中竹和也調教師)
*****5歳馬*****
【ラタンドレス】
「前半思いのほか速いペースにならなかったのもあるが、終いの脚がジリジリで伸び一息だったね。直線で内を突いていたらまた違ったのかもしれないけど、3~4角ではスペースが空かなかったことも確か。流れや展開の助けがあればもっと上の着順に来ていいはずですよ。疲れやダメージも見られないので、来週の番組からまた投票していく準備をします」(山内研二洋教師)
【オルレアンローズ】
現在はトレッドミルで調整しています。引き続きトレッドミルで心肺機能の強化を図っていますが、以前の状態まではまだまだといったところ。毛ヅヤ、飼い葉食いも良いとは言えませんし、こちらが思っている以上に体内に疲労が蓄積しているのかもしれません。来週いっぱいは現状のメニューで調整を進め、それでも体調面に良化が見られないようなら、血液の循環を改善するのも一つの手だと思いますので、トレッドミルをおこないながら、オゾン治療を施してみることも検討しています。
【ブランデーグラス】
「現在は角馬場で長めのダクと本馬場でキャンター1600mを1セット(上限20秒ペース)のメニューで調整中です。先週末から馬場入りを開始して乗り込みを進めています。毛ヅヤもいいですし、ボロの状態も問題なし。一見すると体調は良さそうに見えるのですが、ネジを巻きに掛かると体が減ってしまいそうな気もします。馬体重をこまめに計測し、減りそうな兆候が見られた場合にはロンジング運動のみにとどめるなど緩急を付けて調整していくつもりです。また、駆虫(虫下し)の処置をするなど馬体増へのアプローチも模索していこうと思っています」(担当者)
*****6歳馬*****
【ルグランパントル】
この中間もトレッドミルでの調整をおこなっていましたが、11日(日)に右前球節の外側に腫れを確認したことから、3日間ほどウォーキングマシンでの運動にとどめて様子見しました。小さな傷から細菌が入ったことが原因と考えられますが、悪化前に処置をおこなえたため、経過は良好。フレグモーネのような状態にはなっていません。15日(木)からはトレッドミルを再開しており、その後も異常はありません。来週半ばからは騎乗調教を開始し、入厩に向けた調整を進めていく予定です。