*****3歳馬*****
【ヴァニラシャンティ】
レースに向けた調整を行っていた同馬だが、先週の調教終了後、左前の裏スジ部分に腫れが出ていることが判明した。エコー検査を行ったところ『屈腱に炎症が見られ、全治9ヶ月(腱の損傷は20%以上に及ぶ)』という診断で、いったんトレセン近郊の牧場へ放牧に出ることとなった。28日、森調教師から「調教で馬場の悪いところに脚を取られスジを痛めてしまったようです。屈腱炎の治療には最低でも9ヶ月以上かかる見込みで3歳未勝利戦には間に合いませんし、損傷範囲が広いため再発の可能性も高いと思われます。デビュー戦前の調教でも素晴らしい動きを見せ、素質の高さを感じる馬でしたから誠に惜しまれますが、ここで引退させることにしたいと思います」との話があり、協議を行った結果、誠に残念ではあるが同馬を引退させることとなった。
【クローズホールド】
5月29日(日)東京・ダート1600m(牝馬限定)に浜中騎手で出走。馬体重は12キロ増の476キロ。パドックでは経験が浅いうえに雨のせいか、入場時から小脚を使いながらの周回で、少し落ち着きがない様子。馬体は輸送で減ったのが戻っており、ふっくらした仕上がり。騎手が跨がってからも小脚を使いながら馬場へ。馬場に入ってからは、誘導馬の後ろにつけて、早く走りたい気持ちをなだめてからキャンターで駆けていった。レースでは、まずまずのスタートを切り好位の内3番手からの競馬。コーナーに入る前に、外から来る馬に先にいかせて、4番手で3コーナーへ。3~4コーナーの中間ぐらいから外から来る馬に交わされて、内の6~7番手で最後の直線へ向かうも、直線ではさほど伸びることができず、9着。レース後、浜中騎手は「ゲートの出も良く好位でレースを進めることができましたが、直線ではあまり伸びませんでした。まだ、キャリアが浅く体力がついていない印象を受けました。下も気にしていましたし、時計のかかる馬場の方が合っていそうです。キャリアを積んでいけば変わってきそうです」とのこと。小笠調教師は「まだ力がついてなく馬場も向いていませんでした。今後は、もう少しパワーアップさせてから、短い距離を試してみたいと思いますが、具体的なレースについては様子を見てからになると思います」とのこと。
*****4歳馬*****
【ブリージーデイズ】
5月29日(日)東京7R・4歳以上500万円以下・混合・芝1800mに岩田騎手で出走。馬体重は前走より8キロ減の492キロ。パドック入場時から落ち着いていながらも、キビキビと元気良く歩いており、体調も良さそう。馬体も太目感がなく好仕上がり。騎手が跨がると少し気合いものって馬場へ。馬場入り後も入れ込むこともなく、スムーズにキャンターで駆けていった。レースでは、好スタートを切るも、無理せず中段の外、7番手を追走。3~4コーナーで徐々に進出を開始し、良い手応えで直線へ。直線に入ってもすぐには追い出さずに、直線半ばまで追い出しを我慢してから追い出し、良く伸びたが先に抜け出した馬まで後一歩及ばず、惜しい2着。レース後、岩田騎手は「道中も手応え良く進めましたし、直線もしぶとく伸びてくれました。他馬が来てからも、もう一伸びしてくれました。今日みたいな力の要る馬場も合っていたと思います」とのこと。小島調教師は「良い競馬をしてくれました。力のある馬なので、今日みたいな馬場も彼には合っていました。ジョッキーも上手く乗ってくれたと思います。今までは中距離向きかなと思っていましたが、最近はもう少し距離を短くした方が良いかなと思います。まだ、4つコーナーがあるレースとか、硬い馬場ではどうなのかとか、色々と未知数なものありますが、今後は1800m以下での出走をと考えています。状態に大きな問題がなければ、中山開催で使うかもしれません」とのこと。
【メンブランツァ】
5月29日(日)東京7R・芝1800mに江田照男騎手で出走。馬体重は前走より4キロ減の418キロ。小柄な馬体なりにいつもと同じ雰囲気で変わりなくきている様子。イレ込んではいない感じだが、少し気負い気味で時折小脚を使いながらの周回。騎手が跨がると更に気合いを見せつつ馬場へ。馬場入り時に行きたがる素振りを見せるも、ゴール板手前まで厩務員が付いて歩いていき、スムーズなキャンターで返し馬を行った。レースでは、もっさりとしたスタートで後方2~3番手を追走。直線は大外に持ち出し追われるとジワジワ伸びて10着。江田騎手は「新馬の時は上手にゲートを出てくれたのですが、その時以来、ポンと出られず、今回も後手を踏んでしまいました。ただ、これまでは終いの反応がありませんでしたが、今日は最後まで伸びてくれましたし、非力なタイプながら力を付けてきた感じです。使いながら良くなってくれるのでは」とのこと。矢野調教師は「ゲートの練習も重ねてきましたが、今日も出遅れてしまいました。行けるようなら行かせたかったので残念でしたが、後方の位置でも最後まで頑張っていましたね。今回は続けて使える状態を維持できましたが、少し体が減ってしまいましたし、芝レースは間隔を開けないと使えない可能性もありますので、状況をみて今後を判断します」とのこと。