まさかの大波乱! クィーンスプマンテが逃げ切ってGI 初制覇 | |
秋華賞3着降着の悔しさを晴らして最強伝説をリスタートさせたいブエナビスタ、そのブエナビスタの撃破を目指すブロードストリート、レース史上初となる外国馬優勝を狙うシャラナヤ、3頭の3歳馬が高い評価を得たエリザベス女王杯(GI)。さらには連覇のかかるリトルアマポーラ、花道を飾りたいカワカミプリンセスと、上位人気馬はそれぞれ明確なテーマを持ってこの一戦に臨んだ。 そして、これら人気馬がたがいに睨みあう展開は、凄まじい波乱を呼ぶ。 リトルアマポーラが好位で脚をためる。カワカミプリンセスが向こう正面でポジションを上げていく。これを追うように外からゆっくりと上がっていくブエナビスタ。シャラナヤは中団で機をうかがい、後方にいたブロードストリートも外に出して押し上げを開始、4コーナーでは3番手以下の馬群が一塊となる。 だが直線入口、いざライバルたちを振り払おうとスパート体勢に移った各馬の鞍上は愕然としたに違いない。クィーンスプマンテとテイエムプリキュアが、すでにゴールまで半ばという位置に達していたのだ。 過去5勝がすべて逃げ切りというクィーンスプマンテは、好スタートを切ったここも当然のようにハナを主張した。テイエムプリキュアも日経新春杯の逃げ切りなど先行策にこだわりを持つ馬で、押して2番手へ。クィーンスプマンテの鞍上・田中博康騎手が「2頭で離していく展開になるだろう」と読んだ通り、両馬は後続をみるみる引き離していった。 前走・京都大賞典でもこの2頭は揃って逃げ、大敗。そのイメージが有力馬に乗るジョッキーたちに強く残っていたのだろうか、誰も追いかけようとはせず、2頭はさほど速くないペースで走りながら、ますますリードを広げていくこととなる。直線に入るところでは完全にセーフティーリードを築き上げていた。 結果、クィーンスプマンテが逃げ粘って1着、田中博康騎手とともに人馬初のGI制覇を果たす。テイエムプリキュアが2着、ブエナビスタがさすがの末脚で追い込んできたものの、時すでに遅く、クビ差の3着に終わる。 「前へ」というテーマを持ってレースに挑んだ2頭が、そのテーマを完遂し、大波乱を呼んだのだった。
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