では、先週、取材してきた中から。森厩舎の良血馬ヴァニラシャンティについて書きたいと思います。
8日のこと。雨が降り始めた坂路を見ていると、キビキビとした感じで走っていたのがヴァニラシャンティ(牝、父シンボリクリスエス、母アグネスショコラ)です。最後は1馬身遅れましたが、相手は古馬のダノンエリモトップ。2歳のこの時期に4歳1000万クラスが相手だったから、むしろよく粘っていたと評価するべき。半マイルの時計は54秒0。ラスト1ハロンが12秒4と鋭い伸びだったことを、覚えていく必要がありそうです。12日にも馬なりで53秒8―13秒2と気持ちよさそうに走っていました。
森厩舎ゆかりの良血馬です。2代母にはスキーパラダイス。武豊騎手の騎乗でブリーダーズカップに出たこともあります。その娘のエアトゥーレは森厩舎所属で、02年に仏GⅠのモーリス・ド・ゲスト賞で2着になりました。そして先週、朝日チャレンジCを勝ったキャプテントゥーレの母親。ヴァニラシャンティも厩舎を支えてきた血脈を受け継いでいます。
近いうちに厩舎でダートの看板馬となりそうなゴールデンチケットが兄にあたります。昨年は交流GⅡの兵庫チャンピオンシップを制覇、ジャパンCダートでは3着と活躍しました。その妹について、徳江助手に感触を聞いてきました。「走りそうだよ。気性面などはよく似ているね。ゲートも問題ない」とのこと。現段階では多少、気性に激しい部分があるようですが、第一声に「走りそうだよ」の言葉が出るあたりに高い素質があることが伺えます。厩舎の2歳馬の中でも一目置かれる存在のようです。
気になるデビュー時期について。ダート戦を予定しています。父のシンボリクリスエスはダートGⅠ3勝のサクセスブロッケンを輩出。他にはマチカネニホンバレなどの重賞ウイナーもいて。種牡馬としてのダート実績は十分にあります。「阪神デビューを予定しているが、京都にズレ込むかもしれない」と徳江助手は今後の見通しを話します。該当するレースをピックアップすると阪神の3週目に行われるダート1800メートルの新馬戦(26日)。阪神4週目はダートの新馬戦がありません。京都開催に入って1週目にはダートの新馬戦が2つ、組まれています。10月9日のダート1400メートル、10日のダート1200メートル(牝馬限定)。このあたりが候補だと思います。どのレースに出てくるのか、注目したいと思います。