北海道新聞 函館版に乗っている記事ですが
坂道スイスイ 「グリスロ」好評 函館市の実証運行終了
買い物客「助かる」/観光客「いい眺め」
2022.09.05 13:28 北海道新聞 函館版
この1カ月、函館市内の西部地区の公道を5~6人が乗る
ゴルフカートがのろのろと走る姿をよく見かけた。
函館市が8月6日~9月4日に行った低速の小型電動車両
「グリーンスローモビリティ(グリスロ)」の実証運行。
北海道新聞@doshinweb坂道スイスイ 「グリスロ」好評 函館市の実証運行終了 買い物客「助かる」/観光客「いい眺め」:北海道新聞 どうしん電子版 https://t.co/ZJszGTYpPP
2022年09月05日 13:20
観光地の周遊や地域の高齢者の移動手段としての活用に向け、
市は近く検証結果を取りまとめるが、
実際に利用した人たちからは「函館にぴったり」と好意的な声が聞こえてきた。
8月29日午後、入舟町ルートを走るグリスロが、両
側を住宅に囲まれた細い路地を縫うように走って行く。
「ごめんね、横を通らせてね」。
運転手の中野崎公子さん(65)が、路地に寝転がる野良ネコに声をかける。
路地を抜けると、視界が開けた。
海が広がり、遠くには秀峰駒ケ岳も見える。
「えーこんなにいい所があるの」。乗客から歓声が上がった。
乗車していた同市本通の40代の会社員中村愛美さんは
「車がなく、普段の移動手段は自転車やバス。
今日はカフェと祖父母のお墓参りにいくつもり。
こんなに楽にここまで来られてとても便利」と話し、
船見町の日本茶カフェ「ティーショップ夕日」の前で降りた。
入舟町ルートは地元住民のちょっとした観光コースになっており、
満席になることが多かったという。
■終盤に利用増加
同じ日の午後、大町コースの出発点となる
ツルハドラッグ函館大町店前では、運転手を含めて7人が乗り満席になった。
いずれも同店で買い物をした地元住民が自宅近くまで乗車するという。
スーパーの店員で船見町の津久井奈緒美さん(59)は
「家が坂の上にあるのでとても助かっている。
普段は電車とタクシーを乗り継ぐ。
実証運行の後も有料でいいから続けてほしい」と話した。
観光で函館を訪れた旭川市の浅野雅代さん(55)は
「音も静かで、ゆっくりと景色を眺められる。
坂道が多くて、景色のいい函館にはぴったり」と満足そうに話した。
市によると、8月24日までの乗車人数は約500人。
1日当たり約25人が利用した。
1便に2人ほどが乗った計算だが、25日以降は市民の認知度も上がり、
利用は増加傾向にあり、最終的な集計では増える可能性が高い。
末広町コースは観光客の利用が多く、大町、函館どつく前コースの利
用は大半が地元住民という。
市交通政策課は「予想よりも市民に好評だった」と話す。
市は利用客にアンケートを実施しており、今後集計して、
将来的に市内でグリスロを導入するかどうかの可能性を探る。
■運賃設定が課題
課題の一つは採算面。
一度に乗車できる人数が限られており、採算を合わせるには、
運賃はタクシーほど高くはないが、バスほど安価にはできないという。
その運賃設定でどの程度の利用が見込めるかは未知数。
加えて、市内にはバス、市電もあり、
タクシーも人口の割に過剰供給気味という。
行政としては民業の圧迫につながらないかも気になるところだ。
低速の車両が車やバスの通行の妨げにならないかという懸念もあったが、
ほぼ毎日グリスロを運転したという中野崎さんは「期間中、トラブルはなかった。
市民の認知度が高まるにつれ、グリスロに配慮して運転してくれる車が増えた。
定着すれば問題ないのでは」と話した。(徳永仁)
<ことば>
グリーンスローモビリティ 略称グリスロ。
時速20㎞/h未満で公道を走ることができる電動車を活用した
小さな移動サービス。環境への負荷が少なく、
狭い路地も通行が可能な点が特徴。
地域交通の課題解決と脱炭素社会の確立を同時に実現できる
新たなモビリティとして期待されている。
国土交通省によると、3月末時点で、全国119カ所で走行実績がある。
西部地区での実証運行 ゴルフカートにも使われる7人乗りの
電動車両(最速19㎞/h、全長3.9メートル、車幅1.3m)を使い、
運転はタクシー会社に委託して行った。
曜日ごとに末広町(木、土、日曜)、大町(月、水曜)、
函館どつく前(火、金曜)の3コースを運行し、
いずれのコースも1周2~3㎞。1周30分程度で走った。
午前9時半~午後4時の間に1日13便。
3コースに加え、大町、函館どつくコースの13便のうち3便は
入舟漁港、外国人墓地などの近くを通る入舟町ルートになった。
いずれも乗車無料で、停留所はなく、好きな所で乗り降りした。
9月10日からは縄文文化交流センターと大船遺跡をつなぐなど、
南茅部地区での実証運行が始まる。
函館市内西部地区では、大分評判が良かったようですね
南茅部地区での実証運行にも期待したいですね
関連リンク
函館市役所ホームページ
函館市地域交流まちづくりセンター まちづくりセンター活動日記
実際に乗ってきたそうです