北海道新聞 HPに乗っている記事ですが

 

<デジタル発>「白い恋人」看板に温度計 なぜ?

2020.04.23 11:07

 

 北海道の空港や観光地近くの幹線道路で、

北海道の銘菓「白い恋人」の巨大な看板が目に入る。大きさだけが理由ではない。

看板にはデジタル式の温度計がはめ込んであり、

今の気温は何度なのか、つい確かめてしまう。

温度計には「白い恋人」を北海道土産の代表格に育てた石屋製菓(札幌)の

郷土への思いが秘められていた。

(報道センター・デジタルチーム 門馬羊次)

 

 「白い恋人」はホワイトチョコレートをクッキーで挟んだ菓子

石屋製菓によると、温度計付きの看板は、道内5市の計6カ所にある。

1年を通して24時間、気温を表示している。 

 

 新千歳空港がある千歳市には2カ所。

いずれも空港と道央道千歳インターチェンジを結ぶ大通りに面している。

航空自衛隊千歳基地前の国道36号の交差点に立つのは、

ハートマークの中に雪をかぶった利尻山が描かれた看板。

「白い恋人」の定番パッケージのデザインで、看板の大きさは縦5・5m、横6mある。

 

空自千歳基地前の大看板(門馬羊次撮影) 

 

 もう1枚は、市内真々地のビルの壁面に設置されている

同社人気のミルフィーユ菓子「美冬」(みふゆ)の看板だ。

 札幌市の看板は、石屋製菓本社と、同社テーマパーク「白い恋人パーク」がある西区にある。

両面タイプで、白い恋人とパークをそれぞれPRする。函館市の看板は、

函館空港や湯の川温泉に近い国道278号(漁火通・いさりび とおり)沿いにある。

 

 旭川市は旭山動物園の近くに立つ。

ホッキョクグマのオブジェが看板を抱えており、地域性を感じさせる意匠だ。

 

旭山動物園近くにあるホッキョクグマ付きの看板(打田達也撮影)

  

 2017年夏に稼働した北広島工場(北広島市)は、

チョコレート色の横長の壁が看板代わり。

白く浮かび上がる「白い恋人」と「美冬」の文字と共に、温度計が埋め込まれている。

 JR北広島駅から徒歩数分の線路沿い。

札幌と新千歳を約30分で結ぶ快速エアポートの車窓からも目に飛び込んでくる。

工場の前は、市民が散歩する自転車・歩行者専用道エルフィンロードが通る。

ちょっと肌寒かった4月上旬。温度計は約10度を示していた。

散歩していた市内の30代主婦は、

ベビーカーの息子(1)が寒がっていないか確かめながら、温度計を見つめた。

「いつも温度計に目がいきます。きょうは風が冷たいけど、10度あるんですね」とほほ笑んだ。

 

エルフィンロード沿いの北広島工場(門馬羊次撮影) 

 

 なぜ看板に温度計が付いているのだろう。

石屋製菓の広報担当者に「直当(じかあ)たり」(直接取材)した。

 

 すると「北海道を感じてもらいたいからです」と答えが返ってきた。

 

 道外から訪れる観光客にとっては、北海道の気候も旅の楽しみという。

 

「北海道を実感してもらうために、

観光客の目に入りやすい場所の看板に温度計を付けている」

 

 第1号は、新千歳空港が開業した1988年ごろに空港近くに

設置した看板(現在は撤去)で、同社の石水勲会長(75)が発案した。

 「温度を確かめることで北海道に来たことを実感してもらい、

会話が生まれたらいいな―という考えです。北海道に親しんでもらった上で、

当社の菓子の名前も目に留まったらうれしい限りです」

 

 石屋製菓は1947年にでんぷん加工業として創業後、

主力事業を菓子の製造販売に切り替えて1976年、「白い恋人」を発売。

 

今では1日140万枚を製造する。ところが新型コロナウイルスの感染拡大で、

道内を訪れる観光客は激減。「白い恋人」の売り上げも減り、

同社は2月下旬から約1カ月間、製造をストップした。

現在も本格稼働には戻っていない。

 「一刻も早く感染拡大が終息してほしい。多くの方に白い恋人を味わってもらいたい」

 北海道に観光客が戻るころ、看板の温度計は何度を示しているだろう。

  

ということで、北海道のまちかどに、

温度計がついている看板などかたくさんありますね