北海道新聞に乗っている記事ですが
時計台って緑色? 20年ぶり「お色直し」 観光客もびっくり
2018.11.25.19:39
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2018年11月25日 19:54
改修工事後の時計台。壁は緑がかって見える(野沢俊介撮影)
改修工事前の時計台(野沢俊介撮影)
国の重要文化財の札幌市時計台(中央区北1西2)が、20年ぶりに「お色直し」した。
時計塔が設置され、今の姿になって137年。
「赤い屋根に白い壁」のイメージが強いものの、大規模改修後の外壁は緑のようにも見える。
本当は何色なのか―。
「時計台は白と赤の印象なのに壁は緑色に見える。白じゃなくてびっくり」。
姉と旅行中に訪れた東京都目黒区の会社員今津裕美さん(43)は驚いた様子で何度も見た。
出張中に立ち寄り、写真を撮っていた同渋谷区の会社員佐藤美奈子さん(56)も
「(壁は)黄緑色っぽい」と話す。
札幌市は今年6月中旬~10月中旬、屋根など外観の劣化が激しくなったため、
1998年以来の大規模改修工事で外壁や窓枠などを補修し、塗り直した。
なぜ緑色に見えるのか。
市文化財課は「壁の色は98年の改修時に用いた色見本や
データなどの記録を基に再現した」と説明。
この色は53年の改修時に塗られたものを受け継いでいる。
今回の改修工事を請け負った高橋組(函館)によると、
外壁の色味は「白」「黒」「黄土」「紺」の4色を調合したものだという。
最初に白一色で壁全体を塗り、その上に調合した塗料を塗り重ねた。
同社の工事責任者伊藤明久さん(41)は
「黄土色と紺色が混ざった結果、緑がかって見えるのではないか。
具体的な色の名前はないが、当時を再現したこの色で正解」と太鼓判を押す。
ただ、実際は多くの人が「時計台の壁は白色」のイメージを抱く。
理由について、札幌市建築工事課は、「98年の改修時も直後は外壁は緑っぽかったというが、
翌年には白くなっていた。
表面の塗装がはがれ、下塗りの白色が表面に出てきたためではないか」と推測する。
時計台は1878年(明治11年)、札幌農学校(現北大)の
初代教頭クラーク博士の提言で演武場として建設。
81年(同14年)に振り子時計が設置された。
1903年(同36年)、札幌農学校が現在の北大の場所に移転し、残った演武場が
「時計台」と呼ばれるようになった。
初代以降、これまでに4回、外壁の色が変わっている。
50年に濃い緑色に塗ったところ評判が悪く、53年に現在の色に塗り替えられた。
なぜ、この色なのか。理由は謎という。
札幌のシンボルとして国内外の観光客から人気を集める時計台。
歴史を紹介するパネルや模型、実物と同型の振り子時計が展示され、
市民らのコンサートなども催されている。
今月1日、時計台は5カ月ぶりに開館した。
市は胆振東部地震で減少した観光客の誘致につなげようと、12月まで入館料を無料にしている。
時計台次長の西内吾朗さん(69)は
「時間がたつと外壁の色が落ちて白っぽくなってしまう。
緑がかった時計台は『期間限定』なので、ぜひ見に来てほしい」と来館を呼びかける。(土井若楠)
札幌時計台 公式HP:http://sapporoshi-tokeidai.jp/