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高速道、時速120㎞/hへ 条件良い区間、段階的試行

2016.03.24 11:58 朝日新聞

 

 高速道路の規制速度を、道幅が広く事故が少ないといった

一定の条件を満たせば時速100㎞/hから120㎞/hまで

引き上げられるようにすることを警察庁が決め、24日発表した。

岩手県の東北道と静岡県の新東名高速道路でまずは110㎞/hで試行し、

安全が確認できれば対象を広げ、速度も120㎞/hに引き上げていく。

 

 高速道路の規制速度が100㎞/hを超えるのは、

国内で初めて名神高速道路が開通した1963年以来初。

試行の時期は新年度以降になる。

 

 見直しの背景には、新東名のように、車道や路肩が広く、

カーブや勾配も少ない、120㎞/hで安全に走れる造りの高速道路ができ、

大半の車が規制速度を超えて走っている現状がある。

 

 ログイン前の続き国家公安委員長が有識者を集めた懇談会が2013年、

こうした道路の規制速度の見直しを検討するよう求めた。

警察庁は15年6月、専門家や国土交通省職員を

メンバーとした委員会を立ち上げ、各地の高速道路の状態や事故の特徴、

車両の走行速度、海外の規制速度の状況を調べてきた。

 

 警察庁によると、120㎞/hで安全に走れる造りの高速道路では、

100~120㎞/hと100㎞/h未満で走った際の重大事故の

発生率に大差がなかった。

高速道路の利用者の意識調査では、

過半数がこうした高速道路の規制速度の引き上げを容認した。

 

 警察庁は、

120㎞/hで安全に走れる造りの道路

▽事故が少ない

▽実際の走行速度が100㎞/hを超えている

▽渋滞が少ない――といった条件を満たせば、

む規制速度を引き上げられると判断した。

安全対策として、速度違反自動取り締まり装置(オービス)を

増やすなど取り締まりを強化する。

 

 試行場所に選んだのは岩手県の東北道の花巻南IC~盛岡南IC間と、

静岡県の新東名の御殿場JCT~浜松いなさJCT間のそれぞれ一部区間。

条件を満たす高速道路の中でも特に事故が少ない区間だという。

 

 試行の規制速度や開始時期、区間は岩手、静岡各県の公安委員会が決める。

試行時期は未定で、速度標識やオービスの設置後になる。(八木拓郎)

 

 

 〈規制速度〉

道路交通法で定められた「法定速度」と、

都道府県の公安委員会が独自に定める「指定速度」を合わせた総称。

法定速度は、一般道路の最高は時速60㎞/h、

高速道路は最高100㎞/h(大型貨物は80㎞/h)と最低50㎞/h。

首都高速のような自動車専用道路の最高速度は60㎞/h。

都道府県公安委員会は、路線を指定し、法定速度を超えたり

下回ったりする「指定速度」を決めることができる。