2014/03/11 | 藤坂託実の、世界に幸Ale♪

藤坂託実の、世界に幸Ale♪

ゆったりのんびり、マイペースで。

音楽やスポーツや日常や世相を、徒然なるままに。

久しぶりの記事です。最近少し忙しくしております。



今日は3月11日。
3年前のこの日以来、日本人なら誰もが忘れることのできない日になりました。
私はあの日は軽く風邪をひいて家で休んでいましたが、大病ならともかくちょっとした風邪をひいた日なんて普通覚えてないですよね。インパクトの大きさはここで詳しく書くまでもありません。



被災地や被災者の方々に思いを寄せるのももちろん大切なことです。と同時に、自分自身は災害に対して無防備ではいないか、ということを見つめ直すきっかけにもしていかないといけませんね。
この日本という国は、災害列島です。地球の表面を構成する大陸のプレートの4つがせめぎあう境目の上にあるのだから、また近い将来、いつ大地震や火山の噴火が襲ってくるかもしれません。



……でも理科や地学の話をするつもりはないので。
私のブログは語学(時々スポーツ)の話題がメインになるので、その視点から考えてみたいと思います。




再び記憶は3年前に戻ります。

当然ながら、地震直後からマスコミ(テレビ)はすぐに24時間緊急特別報道体制をとりました。関東ではNHK・民放5局はもちろん、どんなビッグニュースの時でも飄々と独自番組や通販を放送する周辺局の東京MXTVやテレビ埼玉、テレビ神奈川などもそうなりました。テレビウォッチャーの自分も今まで全く見たことのない状況でした。翌3月12日の新聞は今でも取ってありますが、寒々としたテレビ欄が象徴的です。

(新聞が見つかったら後でそのテレビ欄の写真のせます………。)


そんな状況でやはりメインで見るのはNHKでしたが、今でも覚えていることがあります。
当時、NHKは二重音声で放送していて、副音声で外国語による災害情報をずっとアナウンスしてましたが、


英語、中国語、韓国語、ポルトガル語の4言語で放送していたのです。



始めの3つは分かるとして、何でポルトガル語なんだろう?と、当時まだ多言語学習を始める前の自分は思いました。当時スペイン語を1年学んだだけの状態で、スペイン語のほうが話者の多い国際語として良いのでは?と考えたのを覚えています。

でも今なら理解できます。群馬県に多くのブラジル系移民が集中して住んでいる町があるのを知りました。
ブラジル人が日本人以上に英語が苦手なのは以前の記事にもチラッと書きましたが、恐らく彼らに向けてだと思います。
自分の住んでいる埼玉県の地域でも震度5弱を観測し、地震というものをそれなりに知っている日本人の自分でも恐怖感を覚えたのだから、群馬のブラジル人たちの戦慄とパニックは想像に難くありません。





さて、話はまた最近、2014年になります。

3.11を前に、テレビでは震災に関するニュースや特集番組が多く組まれます。
(普段からもっと放送すべきだ、って声ももちろんありますが、今回の主題とは違うのでそこはスルーします)

その中で取り上げられた1つが、「BOSAI」をフォーカスした特集です。

「BOSAI」は、防災のローマ字表記ですが、日本語ネイティブでない人たちにどのようにして避難情報や防災情報を知らせるか、という問題提起の中で掲げられる言葉のようです。


理想はそれぞれの各出身国語で周知できれば良いのでしょうが、当然ながらそれはあまりに非現実的です。
下手すると20~50言語に訳さないといけないってことになるし、緊急時にそんなことをする時間も人的余裕もないに決まってます。

そこで、『外国人にも分かりやすい簡単な日本語で伝える』というものです。

これは非常に、非常に大事なことだと私は思います。大事だから2回書いているんです。



これは6年後の東京五輪に向けての外国人誘致にも言えますけど、
『とにかく英語!英語!!英語ぉぉぉ!!!』
と、バカみたいに連呼する前に考えてほしいのです。

海外から日本に来る人は、あいさつなど簡単な日本語は覚えてから来るものです。
留学や転勤など、一定期間日本に滞在(居住)する人ならば、なおさらそうであるはずで、もっとしっかり学んで来るでしょう。


そんな彼らと意思疎通をするには、簡単な日本語が便利なのです。

中途半端な英語(外国語)力で、自分の思いを十分に伝えられず、相手の言語も中途半端にしか聞き取れないと、「意思疎通」という最大の目的を逸する可能性が非常に大きいと思います。

「意思疎通」という目的を忘れて、ただ「英語を使う」ことだけに夢中になるほど自己満足的で、うぬぼれで、相手にも失礼なことはないですよ。

それよりは、簡単な日本語を手段として、自分自身の日本語のリスニング力・推理力・スピーキング力を100%の状態にして心に余裕を持ち、相手の不十分な日本語を頑張って受け入れるようにすればいい。
(もちろん、補助的に外国語を使うぶんには良いでしょうが。)





少し話が逸れたかな…。でもその考え方は、災害時のような緊急性の高いときこそ重要なはずです。
その時その時で一番何をすべきなのか、その本質を忘れちゃ、いけないですよ。



で、テレビ(ニュースJAPAN)で紹介していたんですが、
例えば「避難」は「にげること」、「避難場所」は「にげるばしょ」とか。
1週間以上前に放送してたのでだいぶ忘れてしまいましたけど(-_-;)…。

でも大事なのは、「ひらがな・カタカナ」表記にすること。そりゃそうですよね。

そして興味深かったのが、日本にいるベトナム人の子どもたちに避難の仕方を教える時に、
『お・か・し・は』(押さない・かけない・しゃべらない・走らない)の標語を、

『おすダメ・かけるダメ・しゃべるダメはしるダメ』として教えていたことです。



なるほど!と思いました。
私たち日本人はネイティブだから意識しませんけど、動詞を否定形にするときは、
「未然形(押さ、しゃべら、…)」に活用させて、否定語の「ない」をつけますね。

私たち日本人が外国語動詞の「活用」に苦労するように、彼らもまた日本語動詞の「活用」が難しいのでしょう。『おすダメ』は「動詞の原形+禁止語」だから、活用を考えるひと手間が省けて、緊急時には良いですね。
改めて私たちの母語「日本語」を見つめる機会になりました。





世が英語、英語、英語という風潮の中で日本語教育が大事だと主張する人もいたり。私もどっちかというと後者ですけど。

ただどっちにしろ大事なのは、『視野を広く持って柔軟に考える』ことですね。そして『本質を忘れない』

3年前、高齢者や障害者に加えて、外国人も『災害弱者』となってしまい犠牲が出たことを教訓とし、最善の方策を考えていくことがこれからも必要となるでしょう。それもまた「お・も・て・な・し」かな?








今さら言うまでもありませんが、3年前の大震災は、あまりにも膨大な量の教訓を人類に与えました。
それらを糧とし、消化するにはまだまだ、まだまだ、まだまだ時間が必要でしょう。

今回は、語学という視点から自分なりに考えてみました。そして、新たな気づきもありました。
皆さんもいろんなことを感じ、考えているのだろうと推測しながら床に就きます。
もちろん、被災地にも明るい春が来ることを願いながら。