【朗報】【台湾・総統選】蔡氏が史上最高800万票超の得票で当選「国家主権守り続ける」

【台湾・総統選】蔡氏が史上最高800万票超の得票で当選「国家主権守り続ける」

https://www.sankei.com/world/news/200111/wor2001110052-n1.html

 

台湾総統選で勝利宣言する民進党の蔡英文総統=11日、台北市(共同) 台湾総統選で勝利宣言する民進党の蔡英文総統=11日、台北市(共同)

 

 蔡氏は11日夜、内外メディアとの記者会見で「勝利をしても反省を忘れず、国家主権を守り続ける」と述べた。次の総統任期は5月20日からの4年。副総統候補の頼清徳(らい・せいとく)前行政院長(首相に相当)と2期目をスタートさせる。

 

 韓氏は高雄市で支持者に「私の努力が足りず、皆さんの期待を裏切った」と敗北を認めた。 国民党の呉敦義党主席は責任を取り主席辞任を表明した。

 

 中央選挙委員会によると、蔡氏の得票数は800万票超となり、2008年に中国国民党の馬英九氏が獲得した約766万票を上回った。蔡氏が再選を果たしたことで、台湾は今後も日米豪などと連携して中国に対抗していく。

 

 11日には立法委員(国会議員に相当)選も行われた。総統選との相乗効果で、与党・民進党が過半数を維持する勢い。

 

台湾総統選の開票速報に盛り上がる民進党の蔡英文総統の支持者ら=11日、台北市(共同)

 台湾総統選の開票速報に盛り上がる民進党の蔡英文総統の支持者ら=11日、台北市(共同)

 

【台湾・総統選】敗北者は中国共産党 米国亡命中の中国民主化活動家、薛偉(せつ・い)氏

https://www.sankei.com/world/news/200111/wor2001110055-n1.html

民主化活動家の薛偉さん 民主化活動家の薛偉さん

 

 台湾の経験は将来、中国の民主化の重要な参考になると考えているため、台湾の政治変化を長年、観察してきた。今回の総統選はこれまでと異なり、台湾の内政問題が争点になることが少なく、対中政策が最も重要な議題になった。ある意味で言えば、中国が影の主役だった。

 

 中国の習近平国家主席は昨年1月、台湾に「一国二制度による統一」を改めて呼びかけ、台湾への浸透を強化したが、これが裏目に出た形となった。

 

 選挙期間中、民進党の蔡英文候補は終始、中国による選挙介入を厳しく批判。国民党の韓国瑜候補も「共産党の代理人」とのイメージを払拭するため、中国との距離の近さを否定し続けた。選挙の後半、韓氏でさえ、習氏が提唱した「一国二制度による統一」を拒否するようになった。中国は今回の選挙に莫大(ばくだい)な人と金を投入したにもかかわらず、期待する効果が得られなかったといえる。

 

 米国が台湾を支援する姿勢を強化したことも中国にとっては誤算だ。中国からの資金流入などを阻止するために、米国はさまざまな形で台湾の捜査当局に協力したと聞いている。米台関係は今後、ますます親密化していくとみられる。

 

 さらに、一連の露骨な選挙介入で生じた台湾民衆の対中不信を、中国が今後、短期間で払拭することは難しい。今回の選挙の最大の敗北者は、中国共産党といっても過言ではない。(聞き手 矢板明夫)