言ひ出せぬ気持ちの背中そつと押す三十一文字の言葉の符牒
思ひみる心のままに言の葉のゆたかにかなふ時ぞうれしき 京極為兼
生まれたらあとにひけない生きものの同志ばかりがいまここにいて
握りしめた手の青白き悲しみはゆるめた指の血潮に抱かれ
捨てるものがこれだけあると聞かされし動揺の中ふと我を消し
ことわりを知らぬがままに身を添へて道知らぬ間に息従ひて