少し前に中国・成都のメイド喫茶をテレビで紹介してた。
こんな所までメイド喫茶?と思いつつも成都ならそんなに違和感がないと思ったりもした。
あれは14年前に私が成都を訪れたときのことだった。私が行ったのは1月だったが、成都は毎日曇り空ではあるものの温暖で過ごしやすく、毎日街を散歩をしてた。
その日もいつものようにフラフラと歩いてると突然、ひらひらのエプロンをした若い中国人女性数名に囲まれた。
服の色は白と黄色ではあったが、そのスタイルは今のメイド喫茶のメイドさんとほぼ同じような格好だった。
一体何者?と思ったが、彼女達は実はケーキショップの店員さんで、店の前で獲物(客)が来るのを待ち構えていたのだった。私は彼女達に取り囲まれ笑顔で店まで連れて行かれケーキを買うよう勧められた。
結構強引だったけど、明るい笑顔で愛想がよく、当時の中国人女性にしては随分あかぬけた感じもあって、悪い気はせずケーキをいくつか買って帰った。
そんな事を考えると元々成都にはメイド喫茶としての素質というか下地があったのかなと思ったりする。
ところでこの時、半透明のカップに入ったクリーム色をしたものがケーキと並べて売られていた。大きさ、色、そしてケーキと一緒に売られているので私はプリンだと直感した。そのプリンと思われる商品の前には「黄油」と書かれた札があった。私は「ふーん中国ではプリンのことを黄油と書くのか」と解釈してた。そしてショートケーキなどと一緒に迷わず、その「黄油」も買って宿に帰った。宿に帰り早速ケーキを食べ、黄油も食べようとスプーンですくおうとした。しかしスプーンがささらない?!固い!仕方なくスプーンの先で黄油をこすり、薄く削って口に運んでみた。舌にのせてみてわかったが、黄油とはプリンではなくバターだった。
普通ケーキと一緒に半透明のカップにクリーム色のものが売られてれば、それはプリンだ、というのは日本の常識で中国の常識ではないということを実感した。