PLOのやうなテロ組織に、僕はづつと疑問を持つてゐた。そりやあ、テロに屈する市民といふのは存在するだらう。


しかし多くの市民はテロに反撥する。自分は關係ないと思つてゐるからだ。パレスチナ問題で日本人がテロに遭つても、普通は反感を抱くだけでテロリストに同情などしない。


テロリストも、そんな事は理會してゐる筈だ。それでいて一般市民への攻撃を止めないのは、一般市民や輿論の事など考へてゐない證據だ。


それでは何を考へてゐるかといふと、自分たちを支持して呉れてゐる少數の人々の評價だ。つまり、存在を主張しなければ、金も人材も集らない。


一般大衆は基本的に當事者ではないので、理會も支援もして呉れない。當事者の中にさへ、テロには眉を顰める人が必ずゐる。


そんな中で資金を集めるには、目立つ行動をする必要がある。ただし、第三世界の軍隊は、もう逆立しても先進國の軍隊には勝てない。だからこそ彼等は、安易にテロに走る。


そして先進國は未だに、テロに對する有效な反撃方法を持たない。イスラエルが度々テロの標的となるのも、彼等の反撃が自制された中途半端なものだからだ。


もつともパレスチナ・アラブ人を根絶やしにしても、問題は解決しない。今日パレスチナ・アラブ人を名告る人達の大半はパレスチナと縁の無い人達だが、それは外國人には分らない。


パレスチナの利權にありつかうとする人達が、父祖の土地を返せと外からやつて來る。本當のパレスチナ・アラブ人なんて、誰にも判別出來ない。


結局、イスラエルのテロ對處方法は正しいのかも知れない。適當かつ中途半端に、しかし必ず反撃して現状維持を圖る。


それで問題は解決しないが、問題を根本的に解決しようと満洲事變のやうな事はしない。どうせ相手も、テロ以外の過激なことは出來ない。


周邊諸國の核開發の動きだけは徹底して潰す。テロには反撃して、エスカレートしないやうにする。どうせテロで國は滅びない。


丸でつかかうへいの『飛龍傳』のやうな話である。あの小説では、過激派と警察公安が共存關係にあつた。


結論。先進國はテロを絶滅できない。だからエスカレートしないやうにするしかない。どうせこいつらに、軍隊で侵掠される事はない。


満洲事變のやうに問題を根本的に解決しようとすると、事態をややこしくするだけである。