先日、『御伽草子』の勉強會に出席した時、「浦島太郎」についても話合つた。「浦島太郎」は『御伽草子』だけでなく『風土記』にも記載がある古い話なのである。


ところで物理學には「ウラシマ效果」と呼ばれる現象がある。アインシュタインの相對性理論では、亞光速で運動する物體は時間の進み方が遲くなる。


つまり、亞光速で宇宙旅行して地毬に歸つて來たとき、その人にとつては數日の旅行のつもりでも、地毬では何百年も經つてゐたりする。


どうしてさういふ事が起きるか、についての説明は省略する。興味のあ る人は、岩波新書の『空間と時間の數學』でも讀むでください。


つまり、「浦島太郎」の話は現實に起得るのである。作家の豊田有恒などは、浦島太郎は實際に宇宙旅行をして歸つて來たのではないか、と主張し、本まで書いてゐる。


因に豊田有恒は昔、『宇宙戦艦ヤマト』といふ動畫の作成に關與してゐた事もある。豊田は相對性理論などの物理學の初等理論を理解してゐる人なので、物語の内容には苦心の趾がある。


田中芳樹の『銀河英雄伝説』などは作者が相對性理論など理解してゐないらしく、サイエンス・フィクションといふよりはサイエンス・ファンタジーである。


サイエンスと呼ぶのも烏滸がましいかも知れない。ドラヱモンと同じ水準の動畫、といふのが正統な評價だらう。物理學の初歩も理解してない人間がSFなんか書くな。


最近は二三十年前よりも、SFの質が落ちたやうに想ふ。作家に相對性理論や量子力學の素養が無ささうなのも、つまらなくなつた原因なのだらう。