前囘の記事「腦を鍛へる・大人の爲の國語試驗 - 解釋問題」について、もう少し詳しく解説しておかう。要するに「ぬ」の識別である。


「ぬ」の上に動詞があるときは、「ぬ」は「打消」か「完了」である。動詞の下に「ない」をつけて日本語として通ずるときは未然形だから、「ぬ」は「打消」である。


動詞の下に「ます」をつけて日本語として通ずるときは連用形だから、「ぬ」は「完了」である。「打消」は「~でない」、「完了」は「~してゐる」か「~してしまふ」と解釋する。


例えば「書く」、「書かぬ」は未然形だから「書かない」と解釋する。「書きぬ」は連用形だから「書いてゐる」と解釋する。


前回の「植う」は、未然形も連用形も「植ゑ」だから、問題として面白いのである。このときは、「ぬ」の下の「てにをは」などで區別するほかない。


「松を植ゑぬに植ゑぬといふ」は、「ぬ」の識別を覺えるには良い例文である。「ぬ」の下に「を」「に」「の」「は」「が」や名詞が來るてきは、「植ゑ」は未然形である。


「ぬ」の下に讀點や「と」「べし」が來るときは、「植ゑ」は連用形である。もう御分りと思ふが、「植う」の「う」はア行ではなくワ行の「う」である。