國文法の本を讀むでゐたら、面白い例文を見つけた。そこで、久しぶりに「腦を鍛へる・大人の爲の國語試驗」をしてみよう。今囘は、解釋の問題が一問だけである。
次の文を解釋せよ。
・松を植ゑぬに植ゑぬといふ。
「植ゑぬ」の「植ゑ」は「植う」の活用だが、活用が未然形のときは「ぬ」は打消の助動詞、活用が連用形のときは「ぬ」は完了の助動詞となる。そして問題なのは、「植う」の未然形も連用形も「植ゑ」なのである。
だから可能性としては、以下の四つの解釋が考へられる。
イ、松を植ゑてゐるので、(人は)松を植ゑてゐるといふ。
ロ、松を植ゑないのに、(人は)松を植ゑてゐるといふ。
ハ、松を植ゑてゐるのに、(人は)松を植ゑないといふ。
ニ、松を植ゑないので、(人は)松を植ゑないといふ。
因に完了の助動詞「ぬ」は普通、「~してゐる」とか「~してしまふ」と解釋するが、過去形で「~した」と譯す事もある。古文は英語と同樣に過去のほかに完了の表現があるので、注意が必要だ。
さて、正解は御分りだらうか、ロである。「植ゑぬ」の「ぬ」の下に「を・に・の・は・が・名詞(體言)」があるときは、「植ゑ」は未然形なので「植ゑない」と解釋する。「をにのはが體」と覺える。
「植ゑぬ」の「ぬ」の下に讀點(。)や「と・べし」があるときは「植ゑ」は連用形だから完了で「植ゑてゐる」と解釋する。「べく」も「べう」も「べし」の活用だから同じ。「止まるべし」と覺える。
つまり、同じ「植ゑぬ」でも状況によつて意味が正反對になるのである。ね、面白いでせう。
次の文を解釋せよ。
・松を植ゑぬに植ゑぬといふ。
「植ゑぬ」の「植ゑ」は「植う」の活用だが、活用が未然形のときは「ぬ」は打消の助動詞、活用が連用形のときは「ぬ」は完了の助動詞となる。そして問題なのは、「植う」の未然形も連用形も「植ゑ」なのである。
だから可能性としては、以下の四つの解釋が考へられる。
イ、松を植ゑてゐるので、(人は)松を植ゑてゐるといふ。
ロ、松を植ゑないのに、(人は)松を植ゑてゐるといふ。
ハ、松を植ゑてゐるのに、(人は)松を植ゑないといふ。
ニ、松を植ゑないので、(人は)松を植ゑないといふ。
因に完了の助動詞「ぬ」は普通、「~してゐる」とか「~してしまふ」と解釋するが、過去形で「~した」と譯す事もある。古文は英語と同樣に過去のほかに完了の表現があるので、注意が必要だ。
さて、正解は御分りだらうか、ロである。「植ゑぬ」の「ぬ」の下に「を・に・の・は・が・名詞(體言)」があるときは、「植ゑ」は未然形なので「植ゑない」と解釋する。「をにのはが體」と覺える。
「植ゑぬ」の「ぬ」の下に讀點(。)や「と・べし」があるときは「植ゑ」は連用形だから完了で「植ゑてゐる」と解釋する。「べく」も「べう」も「べし」の活用だから同じ。「止まるべし」と覺える。
つまり、同じ「植ゑぬ」でも状況によつて意味が正反對になるのである。ね、面白いでせう。