前年産の2020がファースト・ヴィンテージだという、ファルケンシュタインの辛口カビネット・トリオの一角

2021年産クレットナッヒャー・アォフ・デム・ホェルツヒェン・リースリング・カビネット・トロッケン。

それにしても「Auf dem Hoelzchen」なんて、およそ畑名に似つかわしくないから

てっきり「小さな木樽か何かで長いこと寝かせたキュヴェ」だろうと思っていたが、れっきとした畑名なのだと。

調べてみるとアルテンベルクの最良の部分にある小区画だという事は分かったが、正確な位置が分からない。

「クレットナッハ（Krettnach）のS字カーブに沿って、村の入り口に位置している」

参考になりそうなこれらの記載を照らし合わせると、まぁおおよその位置ぐらいは何とか推測出来るのだけれど。

緑色がかった薄いライムイエロー。注いだグラス壁にはビッシリと細かい気泡が付着。

香りは閉じており、スワーリングして初めて鉱物と柑橘の入り混じったような香りが嗅ぎ取れるのみ。

果実味はスマートだが実入りはしっかり。最初大人しかった酸が、飲むにつれて伸びを増して本領を発揮する。

ミネラル感はサクッと淡白で、飲み口も実に軽くて上に抜けて行くような感じ。砂岩土壌に抱くようなイメージ。

少しカビっぽいようなツンとしたニュアンスがあるが、ブショネの時とは雰囲気がまったく異なるので

これはこのワイン本来の風味なのだろう。

抜栓5日目。初日カビっぽいと感じた青いニュアンスは健在。

酸も伸びを増して、スウィーティーを思わせる味わい。85/100

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アォフ・デム・ホェルツヒェンという区画は、石英や輝緑岩を含んだ青灰色の粘板岩から構成される

ディアバス・シーファー（Diabas-Schiefer、輝緑岩-粘板岩）土壌で、ここには樹齢50～60年の古木が育つ。

このような土壌構成はザールブルガー・ラウシュ（Saarburger Rausch）にも見られるとのこと。

地元住民の間では「Hoelzchen」として知られており、近隣の墓地の木製の棺からその名があるのだそうな。

購入したワインショップの試飲コメントには

「樽試飲ではセージ、タイム、グレープフルーツの香りがし、瓶詰め後はスグリや濡れた石の香りで表情豊かに」

とある．．．あ～、語彙が乏しくて表現出来なかったあのツンとした感じは、スパイスやハーブの香りだったのか。

とまぁこんな感じで、日々なお一層の研鑽が必要だなと。<(_ _)>

2021 Krettnacher Auf dem Hoelzchen Riesling Kabinett trocken

Hofgut Falkenstein （Konz/Saar）
A P Nr 3 525 672 21 22，Alc 10.5%vol