上海交響楽団と上海音楽出版社は4月25日午前、上海交響楽団音楽ホールで記者会見を開き、「中国交響楽70年」プロジェクトを今年6月までに完成させ、その成果として、CD集『中国交響楽70年』を9月に出版する予定、と発表した。

 「中国交響楽70年」プロジェクトは、上海交響楽団と上海音楽出版社が共同で発起したもので、2017年から開始された。スタッフは約200名。作曲家75名、指揮者22名、独唱·独奏者34名が参加し、1949年の中華人民共和国成立以来の70年間における中国交響楽の代表的な70曲を、一つのCD全集として集約する。このうち14曲は上海交響楽団の過去の録音があるが、56曲は新たに録音する必要があり、このうちすでに50曲は録音が済んでいて、残りの6曲も今年6月までに録音が完成する予定だ。

 

録音中の上海交響楽団写真は 上観新聞より

 

 上海交響楽団の音楽総監で指揮者である余隆氏は、会見で70曲の全曲名を公開した。江文也作『汨羅沈流』、丁善徳作『長征交響楽』、何占豪と陳鋼作ヴァイオリン協奏曲『梁山伯と祝英台』など、建国以来の多くの中国作曲家の代表作が収録されている。

 

収録曲について紹介する余隆氏

 

 これら70曲は、国内の有名な指揮者、作曲家、音楽研究者からなる専門家委員会が、作品の影響力や芸術的価値、創作の背景、出版権などの要素を考慮に入れて検討を重ねて選出したものであり、すべてが中国の風格を表した傑作だ。

 

 

CD全集の様子

 

 会見ではCD全集の見本も公開された。CD約30枚と、収録曲に関する紹介を載せた小冊子、デジタル音楽を収録したメモなどが収められている。

 定価について上海音楽出版社の費維耀社長は、一般の人々にも交響楽の魅力を味わって欲しいのでなるべく千元以下にしたい、と述べた。