それは
忘れた頃にやってきた
ぼくの目の前で
あなたが差し出した手紙
角の辺りの日付なら
いくつかの季節のせいで
かすんでしまったよ
どこを歩いてきたのだろう
のんびり時間の配達員
時間の底に沈めた其れを
魚釣りでもするかのように
それでもいい
それでいい
あの日のぼくには
わからなかった
今のぼくには
それがわかる
遅れてきた配達員は
誰なのかくらい
時間なんてそこにはなくて
姿なんてどこにもなくて
それでもあなたは
あなたでいてくれる
あの日のぼくが
ぼくであるように
満員電車に揺られながら
ふと思い出した言葉がある