探偵小説 「繰り返される浮気」



「バンッ」




という音と共に、事務所のドアが突然開いた。


調査員たちは、全員、ドアの方向に目をやった。


そこには、一人の女性が立っていた。









女性「・・・・・・・」


調査員たち「・・・・・・!!!」









調査員たちには、その女性に見覚えがあった。


数年前に調査した案件の関係者。






そう、数年前にある女性からご主人の浮気調査の依頼を受け、調査した結果、


ご主人には愛人がいた。愛人とは半同棲のような生活を送っていたので、依頼者は離婚を決意し、ご主人から500万円の慰謝料を受け取り離婚、愛人からは300万円の慰謝料を受け取り、示談したのだった。






その300万円の慰藉料を支払った愛人が今、目の前に立っている。






探偵という仕事がら、逆恨みを買うことはあるが、事務所にお礼参りに来られたのは、


初めてだった。



対象者が来るならまだ理解できるが、愛人が来るなんて想定もしていない事だったので、


調査員たちは、完全に呆気に取られた状態だった。


しかし、油断している場合ではない。


調査員たちは、ふと我に返り、手を握り締め、腰を低くして構えた・・・。







女性「そんなに構えなくてもいいですよ。仕返しに来たわけではありませんので。相談に来ました。」




調査員「えっ???」







ソファに深く座り女性はゆっくりと話をはじめた。







女性「はじめまして。○○と申します。あなた達は私を見るのは初めてではないでしょうが、私はあなた方を見るのは初めてです。数年前にあなた方のおかげで、300万円の大金を出して男を引き取りました。その節はお世話になりました。」







調査員「・・・。それは、・・」







女性「わかっています。既婚者の方とお付き合いしていたわけですから、自業自得なのは、わかっています。その後、彼の離婚が成立した後、私たちは入籍しました。私が住んでいたマンションで、新婚生活をはじめ、最初の方は良かったのですが、だんだんとマンネリ化してきて、今では冷め切った夫婦になってしまいました。早いものです・・。今となっては、あんな男に大金を払ったことを、後悔しています。今では、恐らくですが、浮気されていると思います。」







調査員「ご自身が数年前にされていたことと同じ状況ですね・・・。」







女性「はい・・・。私も自分がした事が跳ね返ってきただけと、諦めようと思いましたが、なかなか諦めきれなくて、どうしたものかと思い、ふと数年前のことを思い出しました。彼の奥さんが雇った弁護士から見せられた生々しい調査報告書を。あんな調査報告書がなければ、しらばっくれる事が出来たのに・・・。」







調査員「・・・・・」







女性「すみません・・・。私にそんな権利はないのかもしれませんが、私にも証拠という武器があれば、慰藉料を貰って、離婚できるのかなと・・・。」







調査員「・・・・・」







女性「私の主人の浮気調査。受けていただけませんでしょうか・・・。」







調査員「・・・・・」







女性「お願いします。私、人生をやり直したいんです。」












数日後の朝、調査員は、女性の自宅マンション周辺にいた。


いろいろと検討したが、依頼を受けることに決めた。


(以下、女性を依頼者と記す。)






今回の依頼者も、悩みを抱える一人の人間と割り切って判断し、役に立てるのであればと依頼を受けることに。




まずは、いつも通り予備調査から行う。


依頼者のご主人(ご主人を以下、対象者と記す。)の面取りから。




数年前に調査をしている対象者なので、そんなに変わっている事はないだろうが、


念のため、予備調査を行った。






朝、自宅マンションから出てきた対象者は数年前の彼と比べると、少しふっくらと


していて、髪形も短髪になっていた。




普段なら、顔を確認した時点で予備調査を終えるが、今回の面取りでは、対象者の視界に入らずに確認する事ができたので、調査員は対象者を尾行する。




対象者は、勤務先へと足早に歩く。




少しがに股で、靴底を地面にすりながら歩く癖は、依然と全く変わっていなかった。


勤務先も依然と変わらず、東京都中央区に所在する貿易会社。









予備調査を終えた調査員は、事務所に戻り、調査にあたる調査員たちと情報を共有する。






今回の浮気調査で、依頼者がなぜ対象者の浮気を疑ったかというと、


帰りが遅くなったからだという。




怪しいメールが見つかったとか、常に携帯電話を持ち歩くようになったとか、香水の匂いがするようになったとか、あきらかに浮気を疑う要素は一切ない。


ただ、帰りが遅くなっただけ。







しかし、依頼者は、対象者が浮気をしていると確信していた。


理由は「女の勘」だという。





この「女の勘」は結構当たるのでバカにできない。






調査方法としては、調査日を決定する判断材料がないので、月曜日から金曜日までの5日間、勤務先から自宅までを毎日調査することになった。










■浮気調査1日目(月曜日)


対象者の定時は18:00。


調査員は18:00から張込みを開始した。


18:20頃、対象者が勤務先より出てきた。


対象者は、勤務先周辺の立ち食い蕎麦屋に入って、「かき揚げそば」を注文、


あっというまに食べ終わり、勤務先へと戻って行った。


どうやら今日は残業らしい。


22:30頃、残業を終えた対象者は勤務先より出、


電車に揺られ、自宅マンションへと帰って行った。










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