http://www.sankei.com/column/news/150815/clm1508150005-n1.html
「核搭載米艦船の一時寄港を認めないと日本の安全が守れないならば、そのときの政権が命運をかけてぎりぎりの決断をし、国民に説明すべきだ」
民主党の岡田克也代表が、鳩山由紀夫内閣の外相だった平成22年3月17日、衆院外務委員会で行った答弁(以下、岡田答弁)だ。
鳩山内閣が非核三原則を見直さないことを表明したうえで、国防にどうしても必要が生じれば、非核三原則を一部撤回し、米軍が核兵器を日本へ持ち込むことを認める可能性に言及したものだ。
核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則は法制化されていない政府の基本政策ではあるが、国是とされる。
岡田答弁には「国民の安全が危機的状況になったとき、原理原則をあくまで守るのか、例外を作るのかは、そのときの政権が判断すべきことであり、今、将来にわたって縛るわけにはいかない」というくだりもあった。
そこには、民主党政権の一部で志向された非核三原則の法制化を否定するニュアンスがある。国の主権と独立、1億2千万人の国民の生命、財産を守る安保政策には、できる限り多様な選択肢があることが望ましい。
国民の間にアレルギーが存在する核兵器をめぐってさえ、政府が柔軟に政策転換するかもしれないこと自体が抑止力を高める。だからこそ安倍晋三内閣の岸田文雄外相は26年2月14日の衆院予算委員会で「現政権もこの(岡田)答弁を引き継いでいる」と語った。
岡田答弁には、非核三原則という「国是」を絶対視するよりも、国の守りを優先的に考える姿勢を示したという意義もあった。
そもそも自民党政権も民主党政権も、日本防衛に核抑止力、すなわち核兵器の存在が必要という政策をとってきた。
ただし、その核兵器は米国の核兵力で充てるご都合主義をとる。
安倍内閣が25年に決めた国家安全保障戦略と防衛大綱(25大綱)は「核兵器の脅威に対しては、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止が不可欠」と明記した。
菅直人内閣が22年に決めた前防衛大綱(22大綱)は「現実に核兵器が存在する間は、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止は不可欠」とした。拡大抑止とは簡単にいえば核の傘のことだ。
核の傘の下にいればこそ、日本は中露や北朝鮮という核武装した国に囲まれていても非核三原則や核廃絶を唱える「贅沢(ぜいたく)」がある。尖閣をねらう中国に備えられる。
民主党は今、安全保障関連法案の自衛隊の他国軍への後方支援について、核兵器輸送を禁じていないと猛批判し、法文化を唱えている。しかし、米軍への後方支援を定める現行の周辺事態法にもそのような規定はなく、民主党が過去に大問題として取り上げたとは寡聞にして知らない。
核兵器輸送という「120%ありえない」(安倍首相)机上の空論を民主党が持ち出すのは政治的プロパガンダに等しい。それよりも、岡田答弁を材料に、核と日本の安全保障をめぐる現実を率直に国民の前で論じたほうが、はるかに有意義ではなかろうか。
「核搭載米艦船の一時寄港を認めないと日本の安全が守れないならば、そのときの政権が命運をかけてぎりぎりの決断をし、国民に説明すべきだ」
民主党の岡田克也代表が、鳩山由紀夫内閣の外相だった平成22年3月17日、衆院外務委員会で行った答弁(以下、岡田答弁)だ。
鳩山内閣が非核三原則を見直さないことを表明したうえで、国防にどうしても必要が生じれば、非核三原則を一部撤回し、米軍が核兵器を日本へ持ち込むことを認める可能性に言及したものだ。
核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則は法制化されていない政府の基本政策ではあるが、国是とされる。
岡田答弁には「国民の安全が危機的状況になったとき、原理原則をあくまで守るのか、例外を作るのかは、そのときの政権が判断すべきことであり、今、将来にわたって縛るわけにはいかない」というくだりもあった。
そこには、民主党政権の一部で志向された非核三原則の法制化を否定するニュアンスがある。国の主権と独立、1億2千万人の国民の生命、財産を守る安保政策には、できる限り多様な選択肢があることが望ましい。
国民の間にアレルギーが存在する核兵器をめぐってさえ、政府が柔軟に政策転換するかもしれないこと自体が抑止力を高める。だからこそ安倍晋三内閣の岸田文雄外相は26年2月14日の衆院予算委員会で「現政権もこの(岡田)答弁を引き継いでいる」と語った。
岡田答弁には、非核三原則という「国是」を絶対視するよりも、国の守りを優先的に考える姿勢を示したという意義もあった。
そもそも自民党政権も民主党政権も、日本防衛に核抑止力、すなわち核兵器の存在が必要という政策をとってきた。
ただし、その核兵器は米国の核兵力で充てるご都合主義をとる。
安倍内閣が25年に決めた国家安全保障戦略と防衛大綱(25大綱)は「核兵器の脅威に対しては、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止が不可欠」と明記した。
菅直人内閣が22年に決めた前防衛大綱(22大綱)は「現実に核兵器が存在する間は、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止は不可欠」とした。拡大抑止とは簡単にいえば核の傘のことだ。
核の傘の下にいればこそ、日本は中露や北朝鮮という核武装した国に囲まれていても非核三原則や核廃絶を唱える「贅沢(ぜいたく)」がある。尖閣をねらう中国に備えられる。
民主党は今、安全保障関連法案の自衛隊の他国軍への後方支援について、核兵器輸送を禁じていないと猛批判し、法文化を唱えている。しかし、米軍への後方支援を定める現行の周辺事態法にもそのような規定はなく、民主党が過去に大問題として取り上げたとは寡聞にして知らない。
核兵器輸送という「120%ありえない」(安倍首相)机上の空論を民主党が持ち出すのは政治的プロパガンダに等しい。それよりも、岡田答弁を材料に、核と日本の安全保障をめぐる現実を率直に国民の前で論じたほうが、はるかに有意義ではなかろうか。