我が家の3才半になる息子君は、
言葉が遅れていると言われている。
保健所の勧めで療育センターに
妻が連れて行ってくれているが、
まだ「あー」「うぅー」としか聞けていない。
ただ、たった3年しか生きていないのに
何かが遅れているなどと
指摘されることに違和感を覚えてもいる。
ハロウィンの夜、
仕事帰りに駅から家まで帰る路、
父親に肩車される
息子と同じくらいの子どもが
「みんな、どっちに行くの~~?」
と大きな声で喋っていたのを覚えている。
あまり他人と比較して考える方ではないが、
この時は羨ましく思ってしまった。
少し後ろから見守っていたその光景を
そう遠くないであろう
自分と子どもの未来に重ねて、
ウチの子はどんな声で何を聞いてくれるかな
とあれこれ巡らして帰った夜だった。
ある日の夕方、突然妻が
「喋るだけがすべてじゃないから」
と言ったことに驚いてしまった。
きっと私の心の内を
ずいぶん前から知っていてくれたのだろう。