今回の「今昔さんぽ」は、京都・嵐山を舞台にした探索回。
JR嵯峨嵐山駅から始まり、1981年に撮影された一枚の写真に写る、正体不明の“笑っている石像”の謎を追いました。
写真には、数人が集まって石像を彫っているような姿が写っており、石工の職人なのか、それとも一般の人なのか判然としない、不思議な雰囲気。
通行人や地元の人への聞き込みでは、「あだしの念仏寺では?」「嵯峨野の豆腐屋さんの前に石像が並んでいるよ」と、さまざまな手がかりが出てきます。
実際に訪れた豆腐屋さんの前には、70体の嵐山羅漢がずらり。
しかし年代を考えると、写真の場所とは少し違うようにも感じられ、さらに聞き込みは続きます。
老舗の酒店では「写っているのはお地蔵さんではなく、羅漢さんでは?」という重要な証言も。
そして導き出された答えが、愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)。
現地に到着すると、住職さんが「間違いなく、うちです」と断言。
ここには、一般の人々が公募で参加し、それぞれの思いを込めて彫った1200体もの羅漢像が並んでいます。
どれも表情が豊かで、笑っているように見える像が多いのが印象的。
「1200体もあれば、自分にそっくりな顔が一つはあるかもしれませんね」という兵動さんの言葉に、思わず納得してしまいました。
住職さんのお母さんが彫った羅漢像が、本人にとてもよく似ているというエピソードも、人の想いが形になった証のようで心に残ります。
最後は、昔と同じ場所から写真を撮影し、無事に今と昔がつながりました。
一枚の古写真から始まった旅が、人の記憶や手仕事、そして笑顔へと広がっていく――
今回の「今昔さんぽ」も、嵐山の奥深さを感じさせてくれる、温かい時間でした。


