10月20日。

15年前、初めて授かった赤ちゃんにさよならした日。

15年後のその日に、病気の母を尋ねて

一人飛行機に乗って太平洋を渡るのは、

心が重く、本当に複雑な気持ちでした。



ただただ飛行機の中で眠ることができれば、と願う私。

病気の母のことも、15年前さよならしたあの子のことも

考えないように 15時間ひたすら眠ろうと思いました。


結局、半分くらい眠ることができて、

長距離フライトでは、十分にありがたいことです。


子供たちと夫をおいて、一人での帰国は結婚以来初めて。

実は、チケットを取ったときから

すごくナーヴァスになっていました。

普段子供達の世話をしているのは私なので、

びっしり隙間のない、忙しいスケジュールを持つ夫に、

時には分刻みで動く子供達のスケジュールを

世話することができるのだろうか...


そして、結婚後一人で行動する事がほとんどなくなった自分が

一人で帰国することにナーヴァスになっていることにも気づきました。


そんな心配に追い打ちをかけるかように、

なんと出発の数日前に風邪をひいてしまい、

のどがちょっとヒリヒリし始め、だるさも出てきそうな体調に...


ショウガ汁を朝から晩まで休みなく飲み続け、

オレガノオイルのカプセルとビタミンCをしっかり取り、

夜更かしはもちろんせず、無理をしないように、

出発までの数日間をゆったりとリラックスするように心がけました。

そして、顔を合わせた人にも、合わせない人にも祈ってくれるようお願いしました。


神よ。私はあなたを呼び求めました。あなたは私に答えてくださるからです。耳を傾けて、私の申し上げることを聞いてください。
詩篇17:6

主はわが巌、わがとりで、わが救い主、身を避けるわが岩、わが神。わが盾、わが救いの角、わがやぐら
詩篇18:2

私は苦しみの中に主を呼び求め、助けを求めてわが神に叫んだ。主はその宮で私の声を聞かれ、御前に助けを求めた私の叫びは、御耳に届いた。
詩篇18:6

これらの御言葉と

You are my strength when I am weak.

という言葉をしっかりと心の中におさめて、

悲しい顔の長男、泣き顔の次男、状況がよく分っていない末っ子と

優しい表情の中にもちょっと寂しさの混じった顔の夫を背に

私は深夜の空港の中、一人寂しく搭乗口へと向かいました。


ここまで来てしまったら、もう何も考えない。

神様に全てを託すのみ。


搭乗時間になったころ、日付はすでに変わっていて、

飛行機はトロントから出る最終便として、

静寂した真っ暗なトロントの空へと飛び立ちました。


7~8時間後、もう眠れなさそうだと思ったころ、

飛行機の窓から外を見てみると

綺麗なオーロラが暗闇の空全体を覆っていて、

「アラスカ辺りかなぁ」と思いながら、

この美しい世界を創造した神の荘厳さに心を打たれました。

と同時に言葉では表現できない平安が心の中に

しみわたっているのを感じました。


わたしは、あなたがたに平安を残します。わたしは、あなたがたにわたしの平安を与えます。わたしがあなたがたに与えるのは、世が与えるのとは違います。あなたがたは心を騒がしてはなりません。恐れてはなりません。
ヨハネの福音書14:27

イエスが共にいてくれている、という確信からくる平安。

イエスが約束してくれた平安でした。


15時間後、無事に台湾に到着し、

今までで一番スムーズなフライトだったことに感謝し、

出発前の心配も不安も全て跡形もなく

どこかに吹っ飛んだことに感嘆しました。

そして、心配していた体調もだいぶ改善されていました。


神様は再度証明してくれました。

私たちの期待を遥かに越えるかたちで

祈りに答えてくれるのです。

それに、約束を守る神であることも。


日の出前の暗闇の中、台湾に着陸したのですが、

空港を出るころには外も明るくなり、早朝の清々しい空気を満喫しながら、

感謝溢れる気持ちで高速鉄道駅に向かうバスに乗り、

空港を後にしました。