日本人として25年ぶりとなるノーベル医学生理学賞を京都大iPS細胞研究所の山中伸弥・同大教授(50)が受賞することが決まり、日本の科学技術力の高さが改めて証明された。「従来の常識を覆した」と言われる英ケンブリッジ大のジョン・ガードン博士(79)のカエルの細胞初期化から半世紀。世界中の研究者を驚かせた山中氏の成果の大きさは、国内外で急速に進む研究の広がりからもうかがえる。マウスiPS細胞の作成からわずか6年、異例のスピード受賞となった。
◇難病解明、新楽試験に力
人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、あらゆる組織や細胞に変化する。患者の細胞からiPS細胞を作れば、病気やけがでだめになった組織や臓器に、拒絶反応なく正常な組織を移植する再生医療が実現できる。iPS細胞の研究は急ピッチで進み、再生医療への期待は大きい。
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)は、患者の皮膚細胞から作ったiPS細胞を網膜細胞に変化させてシートを作り移植することで、失明につながる難病「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」を治療する臨床研究を、来年度にも始める予定だ。東京大などは昨年12月、ヒトiPS細胞から大量に血小板を作成する方法を開発したと発表。献血に代わる安定した血液製剤作りにつながる可能性が出てきた。
動物実験ではさらに研究が進む。慶応大の岡野栄之教授らは脊髄(せきずい)損傷で歩けなくなったマーモセット(小型サル)にヒトiPS細胞由来の細胞を移植し、跳びはねるまで回復させた。岡野教授は「手綱を緩めず、技術をどう患者さんに届けるかやっていきたい」と意欲を示した。NPO法人「日本せきずい基金」の大浜真(おおはま・まこと)理事長は「iPS細胞は私たちのような難病患者にとって希望の光。一日も早く治療に使えるよう期待している」と話した。
現実的に活用が期待されているのは、治療法が見つかっていない病気の原因解明や新薬の効果を試す役割だ。
アルツハイマー病などの神経疾患患者から神経細胞を採取し研究することが困難だった。体の負担が大きく、心停止後は神経細胞がすぐに死ぬ。この状況をiPS細胞が打破した。慶応大の伊東大介専任講師らは神経疾患の患者からiPS細胞を作成。患者の神経細胞では生まれつき異常なたんぱく質が出やすいことを明らかにした。京都大の井上治久准教授は今年8月、患者のiPS細胞を使い、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬につながる物質を見つけたと発表。ベンチャー企業の「リプロセル」はヒトiPS細胞から作った心筋細胞の販売を始めている。
◇難病解明、新楽試験に力
人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、あらゆる組織や細胞に変化する。患者の細胞からiPS細胞を作れば、病気やけがでだめになった組織や臓器に、拒絶反応なく正常な組織を移植する再生医療が実現できる。iPS細胞の研究は急ピッチで進み、再生医療への期待は大きい。
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)は、患者の皮膚細胞から作ったiPS細胞を網膜細胞に変化させてシートを作り移植することで、失明につながる難病「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」を治療する臨床研究を、来年度にも始める予定だ。東京大などは昨年12月、ヒトiPS細胞から大量に血小板を作成する方法を開発したと発表。献血に代わる安定した血液製剤作りにつながる可能性が出てきた。
動物実験ではさらに研究が進む。慶応大の岡野栄之教授らは脊髄(せきずい)損傷で歩けなくなったマーモセット(小型サル)にヒトiPS細胞由来の細胞を移植し、跳びはねるまで回復させた。岡野教授は「手綱を緩めず、技術をどう患者さんに届けるかやっていきたい」と意欲を示した。NPO法人「日本せきずい基金」の大浜真(おおはま・まこと)理事長は「iPS細胞は私たちのような難病患者にとって希望の光。一日も早く治療に使えるよう期待している」と話した。
現実的に活用が期待されているのは、治療法が見つかっていない病気の原因解明や新薬の効果を試す役割だ。
アルツハイマー病などの神経疾患患者から神経細胞を採取し研究することが困難だった。体の負担が大きく、心停止後は神経細胞がすぐに死ぬ。この状況をiPS細胞が打破した。慶応大の伊東大介専任講師らは神経疾患の患者からiPS細胞を作成。患者の神経細胞では生まれつき異常なたんぱく質が出やすいことを明らかにした。京都大の井上治久准教授は今年8月、患者のiPS細胞を使い、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬につながる物質を見つけたと発表。ベンチャー企業の「リプロセル」はヒトiPS細胞から作った心筋細胞の販売を始めている。