26日の男子1次リーグD組初戦で、優勝候補のスペインを1-0で撃破した日本は27日、勝てば決勝トーナメント進出が決まる第2戦のモロッコ戦(29日=日本時間30日)の会場、ニューカッスル入りした。快足ぶりを存分に発揮して“グラスゴーの奇跡”の立役者となったFW永井謙佑(23)=名古屋=に、欧州クラブも熱視線を注いだ。まさかの黒星を喫したスペイン国内では、日本を称賛するとともにチームを酷評する報道が相次いだ。


“奇跡”の地を離れた選手たちは、次の戦いへの決意に満ちていた。1-0での劇的勝利から一夜明け、チームはグラスゴーから次戦の舞台・ニューカッスルへ到着。FW永井は、充実の表情で試合を振り返った。

 「楽しかったですね。きつかったけど、励まし合ってやっていたので。18人でメダルを取れるようにやっていきたい」

 スペイン戦は1トップで先発。序盤から体力を温存することなく走り、最前線からの守備やカウンター攻撃の切り札となった。前半41分には、元J1横浜M監督の木村和司氏が「スピード違反」と評する50メートル5・8秒の速さで、DFマルティネスを一発退場に追い込んだ。2度の絶好機を外し「体力が残っていなくて冷静さがなかった。決めないと」と反省するが、決勝点のMF大津に並ぶ奇跡の立役者となった。

 試合後はドーピング検査で水を1・5リットル飲んでも小水が出ず、約3時間足止め。「試合より疲れました」と笑った。全身の水分を絞り出すほどピッチを走り回った。

 そんな永井に、世界の注目が一気に集まった。27日付の英高級紙ガーディアンは、「強さ、運動量、抜け目ない姿勢を持つ本当にいい選手。移籍市場はほうっておかないだろう」と報じた。

 試合にはイングランドプレミアリーグ5クラブの強化担当者や、イタリア、ドイツの有力代理人も視察。VVVフェンロ(オランダ)、ノリッジ(イングランド)、福岡大時代にも練習参加を打診したウォルフスブルク(ドイツ)の関係者が契約形態を現場で調査するなど、オファーへの動きも判明した。

 スペインの若手目当てだったスカウト陣の心を韋駄天ぶりで一気につかんだ永井。関塚ジャパンのスピードスターが、日本に44年ぶりのメダルをもたらそうと激走する。