伝統の春最強馬決定戦、第145回GI天皇賞・春が京都競馬場3200メートル芝を舞台に争われ、石橋脩騎乗の14番人気ビートブラック(牡5=栗東・中村均厩舎、父ミスキャスト)が思い切った積極先行策で大駆けV。
 一方、単勝1.3倍の支持を集めていた池添謙一騎乗の1番人気オルフェーヴル(牡4=栗東・池江厩舎)は末脚不発に終わりまさかの11着惨敗に終わった。

 逸走という失態を演じた前走のGII阪神大賞典よりも、さらにショッキングな敗戦だった。まるで見せ場がなく、馬群の中でもがき続けたまま11着大敗。池添、池江調教師ともに、まず挙げたのは馬場に脚をとられたことだった。
「だいぶ脚をとられてしまいました。最後の直線では4回、5回とカクンカクンとなって脚をとられてしまって」
 あまりにも走りがぎこちなかったため、レース中の故障を疑ったほどだという。幸い、レース直後は特に異常はなかったようだが、今の京都の馬場とオルフェーヴルは全く噛みあわなかったようだ。

 しかしながら、「ハッキリと何がダメだったか、今はまだつかめていません」とトレーナーが語ったように、馬場がすべてだったかというと、そうでもない。
「返し馬では前回より落ち着きがあっていいかなと思ったんですが、いつもの跳ねるようなフットワークがなかった」と池添。若干の硬さも感じられたと言う。それが、調教再審査のために走ったダートコースでの追い切りの影響があったかどうかは、池江調教師もつかめていないというが、そのフットワークの硬さもまた、最後の末脚の爆発力をなくした原因だったかもしれない。
「3コーナーの下りを利用して動かしていったんですけど、いつもの伸びがなかった。一番先頭を捕まえられなかったにしろ、その後ろの集団は突き抜けなきゃいけない馬ですから」(池添)

 本来ならば前走の汚名を返上する快勝でいざ凱旋門賞、とブチ上げたかったが、さすがにこの大敗では池江調教師もトーンダウンせざるを得ない。
「会社と相談してからになりますが、馬場が合う・合わないにしてもこの着順では、凱旋門賞と大きな声では言えない。敗因をしっかり究明して、再調整して結果を出さないと……。ただ、5月9日が一度目の登録の締め切りなので、登録するのかしないのかも含めて話し合っていきたいですね」
 宝塚記念を使うことも、あるいはこのままヨーロッパに遠征する可能性もある、とトレーナー。一方の池添は「結果的に出していった方が良かったかもと思いますが、前走がああいう競馬だったから……これだけ注目されていますし、今回はという気持ちだったんですが、申し訳ないです」と苦悩の表情を浮かべた。

 栄光の2011年から一転、試練の連続となった四冠馬。しかしオルフェーヴルならば、この苦境を“力”で乗り切れるはずだ。