さまよう町のさまよう家の | エンジョイ♪ポジティブ

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  5月5日(日)晴れ時々曇り、14℃~27℃
三時就寝、九時起床。三日間このリズムである。
家人たちは遠出をしたが、読書に熱中していたので私はむしろこの日は散歩もしなかった。試し読み数十冊の世界の中に居て、逆に書くことが少ない。グーテンベルグ21はミステリー名作とSF名作が多い。わからない語をウィキでひくと、ミステリー史やSF史を眺めていることになる。
毛色のちがう読書は、またも国枝史郎「さまよう町のさまよう家のさまよう人々」というけったいな作品(139頁)である。けったいだなと思いながら頁を繰っていくと、どこか吉行エイスケ風。それを淳之介が読みやすくリライトして、でも途絶したような作品。たぶん時局的に検閲が入って、発表誌とかも無くなってしまったのかもしれない。どことなく宮沢賢治「ペンネンネンネンネン・ネネム」風にも読める。疾走している部分と幻想とミステリーと現実と。そのなんともいえない部分を、最後の頁でぼーっと振り返り、書かれなかった続きを幻視しようとする試みは楽しいものである。
一時半まで読み続けて、もうそろそろお腹いっぱいと本を閉じて寝る。頭が満腹になる日は珍しい。現実の食事自体は少なく、お米は茶碗ひとつだけである。

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そうそう。外へは出なかったが、読書休憩に室内で運動しながら外の風景を眺める。窓の前には柿の木があって、昨日まで緑だった枝葉の中に、白い花芽が出ている。あれは花芽ではないか?わずかな色彩の変化も楽しいものである。