「じゃあ、年明けから
そのつもりで部屋探し
はじめていいよね?」
「うん、いいよ。」
Hは笑って言ってくれた。
そもそも
2020年4月までに
家の事を決着させて
一緒になると、
期日を決めてくれていたけど、
その道筋について
どうしていくのか、
一度も明快にきちんと聞けたことは
なかった。
後から聞くと、
本人なりのやり方で進めていて
経過について話したくなかったと言っていた。
Hは軽はずみに言葉を発したくない人だと
理解していたけど
やっぱり安心材料が欲しかったのは
事実。
だから、ここで
3月から一緒に住めるという未来が
現実的に見えてきて
(まだ6割くらいかなという感じだったけど)
ほっとして、泣きそうになっていた。
その時、カフェの外に目を向けたら
満月ではないけど、やたら白く光ってる大きな月が
目の前に浮かんでいて、
その月を見ているうちに
体の中から涙がぶわーっとあふれ始めた。
自転車で送り迎えをしていた保育園の帰り道、
秋冬は特に、いつも月が目の鮮明に見えていて
「お月様きれいだねー。
あの模様なんだろーね。」
と毎回子どもたちと会話をしていた様子が
頭に浮かんだから。
自分でも「あれ~??」と思うくらい、
涙はとまらず、Hは
「大丈夫??
何か思い出した??」
とぎゅっと抱きしめてくれていた。
ずっと気を張り詰めていて
子どもたちへの気持ちを感じないように
していたかもしれない。
ほっとしたこのタイミングで
感情のたがが外れた。
30分くらいひとしきり泣くと、
とってもスッキリした。
その時に心に浮かんだこと。
子どもたちとは離れるけど
その分
自分らしく生きて
自分の人生を生き抜く。
そして
この先何が起こってもいいように
いつでも子どもたちを迎えられる
自分になる。
いつでも子ども達が
居心地よく帰れる場所をつくるんだ。
そう心に強く決めて
その日は帰路についた。