僕は35歳まで銀行員だったのでお金に関する様々な裏話を知っている。
若い頃は預金獲得競争の真っただ中で預金さえ集めれば良かった。
そして銀行員は地域の中でその信用力でお金をかき集めていた。
当時景気は過熱気味で不動産業者は土地価格を高騰させる元凶として
融資規制業種だったが土地があれば売れる状態だったので必死に融資を
求めてきた。融資を断るために事務所に行くと社長は飾ってあった日本刀を
抜いて貸してくれないなら俺はここで死んでやる!などという泥臭い演技をしたものだ。
この本は妙に説得力がある。
村西監督が実際に体験したことから書かれているからだろう。
第1章:おカネは魔物、ではおカネの魔力、おカネの力、おカネの怖さ、おカネと人の心
など6つの副見出しに分かれているけど、いずれも彼の経験が下地となって
書かれている。以下6章まで全部同じ。
この本の表紙には、借金返済50億円から学んだおカネの法則42とある。
だから資本論などとかっこよく書かれているけど中身はもっと切実で、なぜか可笑しい。
だからこの本を友人に紹介する時には「読んでみな、面白いから」と一言で済む。