読者の皆さん、こんにちは。

今回、「joukiuchuusenn3501の由来(其の参)」をお届けいたします。

 

私のいちばん好きなアニメは、『砂漠の海賊!キャプテンクッパ』(監督・真下耕一)という作品です。

内容は以下の通りです。

 

遠い未来、海の消失によって文明が崩壊し、砂漠が拡がる乾いた世界となった地球。

わずかに残された水も、巨大企業「プルコギ」によって独占されていた。

「渇きと絶望の大地」と化した地上ではあるが、それでもなお人々(獣人を含む)はたくましく生き延びていた。

そんな世界で、少年海賊クッパと、彼の姉でお宝ハンターのユッケは財宝を求め、時には「プルコギ」のボス・ビビンバ(趣味:お宝ハンター狩り)の悪事を喰い止め、今日もかつては「海」であった砂漠を駆け巡る!

そしてそれを見つめる謎の青年「サムゲタン」の目的とは...?

 

このアニメは、2000年~2001年という世紀を跨いで『別冊コロコロコミック』で連載されていた故・谷上俊夫の同名のコミックを原作としていますが、内容は大幅に変更されています。

原作とアニメには大きな違いがあります。

原作では最終回、ビビンバの黒幕であった惑星規模気象制御コンピュータ「カクテキ」がクッパに斃され、地上に海が復活します。

これに対してアニメでは

「海の復活=世界の滅亡」と人々はとらえ、クッパ・ユッケ・サムゲタン、そしてクッパと敵対していた「プルコギ」の一味までもがカクテキによる「海の復活=世界の再生」を阻止しようと奔走します。

 

「世界の再生」が即ち、そこに生きる人々にとり「世界の滅亡」となる物語は『クッパ』同様、文明崩壊後の世界を描いた傑作『風の谷のナウシカ』(宮崎駿)にも見られます。

 

『ナウシカ』で描写される世界の登場人物は、実は全て旧文明の人類によって創造された「人工生命体」であり、汚染された環境でないと生存できない存在だった。

そして彼ら彼女らは、浄化された水や空気に触れると「血潮を噴き出して」死んでしまう存在でもある。

主人公ナウシカは旧文明の技術を守る「墓の主」と遭遇する。

「墓の主」は、腐海が消滅し、世界が清浄を取り戻した暁には、これまでの人類及び生態系(=汚染された環境に適応した生命体)が一掃されることを明かす。

しかし、彼女は一切の汚濁を認めないという、これから生まれる「新人類」に反発し、汚染され、人工的に創り変えられた生態系の中で生きて行くことを択ぶ。

そしてナウシカは旧文明の技術、及び新人類の卵を保存していた人工生命体「墓所」を破壊して物語は終了する、

というのが『風の谷のナウシカ』の結末です。

 

ナウシカ同様、クッパもまた「七つの海を自由に駆け巡る海賊」に憧れながらも、カクテキによる「海の復活=地上を潤いと緑で満たすこと」を否定し、最終的には「渇きと絶望の大地」で生きることを選択します。

ナウシカもクッパも、旧時代の遺物(人工生命体「墓所」・惑星規模気象制御コンピュータ「カクテキ」)が勝手に定めた「理想郷」を否定し、今現在の「絶望郷」こそが「自分たちが今後とも生きて行かなければならない場所」と看做していると言えます。

 

ところで、このアニメの冒頭は、こんな文言で始まりますので引用します(「引用」なので著作権的にはセーフと思いますが...)。

 

  水暦3501年、すでに大地から海は消えていた...

  荒波が失せ、世界各地で古代の財宝狩りが始まった...

  しかし人々は、財宝よりはるかに貴重なものを、...渇望していた

  それは...

 

この作品の世界での紀年法は「水暦」で、それがすでに3500年以上も続いていることが窺われます。

そしてまた、「水暦」という紀年法に、「水」を渇望している人々の願いが表れていると言えるでしょう。

 

私のニックネームの「3501」という数字は、ここから取られているわけです。

この文章を執筆しているうちに、『砂漠の海賊!キャプテンクッパ』のパクr...オマージュ小説を思いつきました。

やはり文明崩壊後の砂漠の世界に点在する技術都市・オアシス村の人々や水資源を牛耳り、食品加工事業を経営する巨大企業グループと太陽光発電事業を中心とするコングロマリットとの間の確執、人類の労働力を補うために遺伝子改造された「獣人」、そしてそれら全てを司る「評議会」etc.を少年海賊と、彼の姉のトレジャー・ハンターの二人を狂言回しに、活き活きと描いてみたい、と思っているのですが、果たして実際に執筆するのやら...。

 

というわけで、長くなりましたが「joukiuchuusen3501の由来」

三回に亘って解説してまいりました。

 

次回はいよいよ「お散歩日記」の第一回

「福津市畦町散歩」をお送りする予定です。

 

それでは次回の更新をお楽しみに!