平成22年6月13日夜,小惑星探査機はやぶさ,地球に帰還するを詠める歌


小惑星 探査機はやぶさ ひっそりと 地球を発ちて

2年半 3億キロの 音も無き 宇宙を飛んで

小惑星 イトカワの地に 穏やかに ソフトランディング

カプセルに 砂を採取す


はやぶさは 離陸直後に 燃料の 漏れる事故あり

地球から 制御できずに 通信も 途絶に至る

12基の 化学エンジン 故障して 力をなくし

馬力なき イオンエンジン 僅かにも 力を集め

太陽光 電池パネルの 光圧を 推進力に

イトカワの 軌道を離脱


7年の 月日を超えて はるかなり 60億キロ

エンジンも 電池も劣化 痛々し 満身創痍で 

地上から 7万キロで カプセルを 分離射出し

自らは 大気摩擦に 薄れゆく 意識の中で 

かすれゆく 地球を見つつ 命燃え尽く


反歌

はるかなる 大宇宙から 帰還せよ

夢をつないだ 科学の力


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