事件以後、
完全に安心できる家族と居る時以外、
悲鳴をあげることなど出来なかった。
悲鳴をあげると、
有り得もしないって頭では判っていても、
自分も、
家族も、
大切な人達が皆、
殺されてしまうような気がして、
怖かったんだ。
いまだに、
信頼している人の前でしか、
悲鳴をあげられないのに、
家族以外の心から信頼してしまった人は、
他の女性を想っていることがわかっているから、
すがることなんて、
絶対にしてはいけない。
人の心の向きは変えられないし、
その人の心の中の住人を追い出すことも出来ないし、
そういったことは望まない。
ただ、
立ち直れるまでの間、
嘘でも良いから、
隣に居て支えていて欲しかった・・・・・