竹芝スマートシティフェス~キャッツイベント(9/20) | とみたまの観劇記録

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劇団四季を中心に、年20回程度観劇しています。
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ネタバレあり。

2020年7月までは観劇の感想・イベントレポートのみでした。
現在は観劇に関する話を広く書かせていただいています。

東京ポートシティ竹芝のオープニングイベント3日目は、キャッツに出演中の俳優さんたちが登場されました。

イベント終了後にアップされた動画がそれなりの期間残るようです。だから、まとめた記事をアップしなくてもいいかなと思いましたが、せっかくアップし始めたのだから……と思い直しました。元々、自分が思い出したい時に読むために始めたものですし。

2日目までと同様、走り書きのメモに基づいて読みやすい形でまとめたものです。

 

【15:30】

前日までと同様、司会の橋本さんが東京ポートシティ竹芝の施設紹介をされた後、『キャッツ』についての簡単な説明がありました。

1983年、西新宿に仮設のテント式劇場を造ったことで広く社会的に注目され、誰もが想像しなかった1年のロングラン公演を成し遂げた。以来、9都市で上演されて各地でキャッツフィーバーを巻き起こした。舞台は都会片隅のゴミ捨て場。満月の夜、個性豊かな24匹の猫が集まる。逆境に負けず、したたかに生き抜き、人生を謳歌する強靭な心を持つジェリクルキャッツ。年に一度新たな命を得るただ1匹を選ぶ舞踏会の一夜を描いた作品。オペラ座の怪人の作曲家、アンドリュー・ロイド=ウェバーの名曲の数々も見どころ。今年、日本上演37周年を迎える。来年6月まで大井町の劇場で上演中。

 

【15:35】

3日目は4人の俳優さんたちが登場してくださいました。

ラム・タム・タガー役の上川一哉さん、グリザベラ役の木村智秋さん、シラバブ役の藤原加奈子さん、スキンブルシャンクス役の田邊祐真さんです。

上川さんは黒っぽいシャツに黒パンツをあわせた私服。木村さんは、ジャケットにヒョウ柄のようなミニワンピース。藤原さんは、白地に刺繍でボタニカル柄をあしらったワンピース。田邊さんは、白シャツ+黒っぽいパンツにベストという私服でした。

 

木村さんの私服、出来る女っぽくてカッコ良かったです~キラキラ 上川さんと田邊さんは、おそらく役柄を意識された私服ですよね。

 

まずは、俳優さんたちの紹介です。

 

上川さんは人間になりたがった猫のアンサンブルで初舞台を踏み、主役のライオネルも演じた。その後、『ユタと不思議な仲間たち』のユタ役、『リトルマーメイド』のエリック役、『恋におちたシェイクスピア』のシェイクスピア役、『キャッツ』のマンゴジェリー役、ラム・タム・タガー役などを演じている。

 

木村さんは入団以前にも舞台で活躍していて、入団後は『オペラ座の怪人』、『ジーザス・クライスト=スーパースター』などに出演し、『パリのアメリカ人』のオルガ役、『ウィキッド』のエルファバ役などで活躍。

 

藤原さんは3歳からバレエを始め、2016年劇団四季研究所に入所し、2017年からキャッツに出演している。シラバブ役の他、『エビータ』のミストレス役も演じた。

 

田邊さんは『ユタとふしぎな仲間たち』を観劇して劇団四季を目指し、2015年に劇団四季研究所に入所。『コーラスライン』で初舞台を踏み、『嵐の中の子どもたち』、『ノートルダムの鐘』にも出演した。

 

藤原さんは、女性若手さんの登竜門的な流れに乗っている感じですね。田邊さんも期待の若手といったところでしょうか。

 

続いて、橋本さんが劇団四季の今後のラインアップを紹介されましたが、これは前日までと同じです。

その後、橋本さんからの質問に答える形でのトークという流れも前日までと同じです。(以下、敬称略)

 

Q:竹芝の思い出は?

A:劇場が3つあり、駅から劇場までの道のりで、その日の自分の課題などを考えながら歩く。帰りは「今日は出来なかった。

  悔しい」などと思いながら歩く。夕日が綺麗だとか、風景を思い出す。(上川)

 

木村さんがポスターがあると、背中がピンとして緊張する、と付け加えていらっしゃいました。

 

Q:『キャッツ』の魅力は?

A:大井町の劇場はキャッツ専用シアターなので、世界観を存分に味わえる。猫たちの世界と一体化出来て、半円形状なので、

  違う席に座ると新しい発見が出来たりする。猫に合わせたサイズ感で作られているので、客席内の大きなゴミも世界観に

  引き込まれる要因になっている。ゴミのオブジェの中ではパンダのぬいぐるみが好き。日本初演から使われているもの

  なので、私よりも長くいる。見守ってもらっている気がして、ぬいぐるみと遊ぶのが楽しみ。(藤原)

 

A:ゴミのオブジェには菓子箱もあって、見覚えがあると思っても、よく見ると商品名が違っていたりする。猫関連の名前に

  なっている。名前や文字も猫関連になっているので、探してみてください。曲も魅力の一つ。他のパートだけ抜いて稽古

  するときに、「こんな音程で歌っていたんだ!難しい」と思うが、合わせるととてもきれいなハーモニーになる。考え抜

  かれたハーモニーだと思う。音に合わせた振り付けもされていて、猫より猫らしく動くために動物園で研究したりする。

  どんどん動きを突き詰めていかないといけないので、皆動画を見ている。(田邊)

 

田邊さんの答えに、まず四足歩行の練習をする。肩甲骨の動かし方もこだわっているポイントと、上川さんが補足。

 

A:音楽もダンスもメッセージが深くて哲学的。命・希望を考えさせる。歳を重ねるほど深く感じる。5年前と今の感動は違う

  ので、何度も観たくなる。「メモリー」は有名な曲なので、大抵の人が1回は聞いたことがあると思う。10年前に

  デビューした時は、最初の「メ」の音がとても怖かった。曲も役もどれだけ経っても慣れない。テクニカルも難しい

  けれど、グリザベラの思い、人生最後の曲になるかもしれない、素の自分になる……と思う様々な気持ちを込めないと

  いけない。毎日演じているけれど、グリザベラは最後だと思って歌う新鮮さを忘れないようにしている。(木村)

 

A:いろいろ出ちゃった(笑)個性豊かな24匹の生い立ち、生き様があるので、何か一つでもリンクや共感ができるものが

  あるはず。見るたびに視点が変わってくる。いろいろなテーマが詰まった作品。(上川)

 

上川さんの答えに、「これです!」と言い切れない、人生・希望・死につながる作品と木村さんが付け加えると、上川さんは、

そういう作品を猫としてやるのが独特の面白さだとおっしゃっていました。

 

Q:『キャッツ』の中で、この役をやってみたいと思うキャラクターは?

A:ジェリーロラム。アスパラガスを暖かく紹介して、慕っている。そういう気持ちやメロディが素敵だと思って

  いつも聞いている。(藤原)

 

藤原さんがジェリーロの役名を上げた途端、木村さんが「出来るじゃない!」とおっしゃっていました。

 

A:女性だったらランペルティーザ。年齢的にはシラバブの次で、やんちゃで無邪気。あんなに元気だったのはいつか?と思う。

  ちょこまか動けたら楽しいだろうと思うほど、楽しんでいるのがうかがえる。(田邊)

 

A:一日だけ夢が叶うなら、木村さんの声でグリザベラ。(上川)

 

上川さんの答えに田邊さんも「同じ!」とおっしゃっていました。

 

A:タガーをやりたい。自由で皆に愛されている。そういうキャラクターをやったことがない。(木村)

 

【15:46】

会場にいる人へのプレゼントタイム。4人の方にプログラムがプレゼントされました。

 

【15:50】

『キャッツ』のナンバー披露。

「スキンブルシャンクス」(田邊+上川、藤原)、「ラム・タム・タガー」(上川、田邊+藤原)、「メモリー」(木村、藤原)の3曲でした。スキンブルは「光に満ちた素晴らしい朝さあ終着駅だ」の部分にお二人のコーラスが加わる形で、「メモリー」のラストは音を上げていました。スキンブルとタガーはキャラクターを生かした振り付けも少し加えて、一般の方にもわかりやすい形で披露されていました。

 

私服で歌っている様子を見ると新鮮です。私服であっても、イベントであっても、演じていることは承知していますが、どなたもキャラクターにハマっていて、それぞれの役に抜擢されたことを改めて納得しました。前2日よりもお芝居の一部を見ているような感覚に陥ったのは、それだけ『キャッツ』という作品の世界観が際立っているからでしょうか?

 

【16:05】

最後に皆さんから一言ずつ挨拶がありました。

本日はありがとうございました。ポートシティ竹芝がオープンしてマチもにぎやかになりました。観劇前後に竹芝の町もお楽しみいただければと思います。(田邊)

最後までご覧いただき、ありがとうございました。竹芝は先輩の舞台をみる聖地で、こうして皆様とお会いできたことを嬉しく思います。観劇前後にカフェやレストランに寄って、楽しさを共有して、竹芝の盛り上がりを皆様と出来たらいいなと思います。(藤原)

最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。新劇場春秋が再び劇場がオープンして、また舞台をお見せできることを大変嬉しく思います。是非劇場にいらしてください。お待ちしています。(木村)

悪天候の中、足をお運びいただき、ありがとうございました。劇団四季の作品は、どれもたくさんのメッセージが詰まっています。竹芝では春秋、自由劇場、大井町でキャッツとライオンキング、他に全国各地で日々本番を迎えています。劇場で皆さんと感動とたくさんのメッセージを共有し合えるよう、我々も努力いたしますので、是非劇場の方へ足をお運びください。(上川)

 

締めに、「3日間無事開催できたのは、ジーニーのおかげ?皆さんのおかげ?」というウィットに富んだ橋本さんの言葉があり、その後の予定を紹介してイベント終了です。

 

上川さん、木村さんというベテランお二人が考えながら自分の中の思いや作品の魅力などを語る姿がとても印象的でした。その分だけ『キャッツ』という作品の難解さや深さ、そういう作品に取り組む真摯な姿勢がうかがえた気がします。特に、木村さんのトークは、グリザベラの思いをどう表現するといいか、日々葛藤している様子が伝わってきました。そんな葛藤も含めてのメモリーだから、心を揺さぶられるのかも。木村グリザ、猛烈に観たくなりましたウインク

 

 

 

 

以下、蛇足的な愚痴です。

俳優さんが葛藤しつつ表現しようとしているのに、単なる楽しいショー的な方向に演出改悪されたことが、今更ながら残念で仕方ありません。次の公演地は、少しでも以前の演出に近づける方向で、演出変更してくれないかしら?(無理を承知で、ナントカ🙏)