守り抜いた矜持~「壬生義士伝」中井貴一 | Not at all

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忙しすぎず ヒマ過ぎず

中井貴一主演。

滝田洋二郎監督作品。

 

「新選組最強の男」と言われた

吉村貫一郎の生涯と

激動の時代を描いた作品。

 

男性は新選組がやたら好きだ。

たぶん、苦難な道を選んでも

武士としての矜持を守ったカッコ良さと

悲劇的な最期を迎えたのに

男のロマンを感じるのだろう。

 

ただ自分は女なので

「男って、やたら軍団を作りたがるよなー」と

群れて馴れ合いたがる気持ち悪さを感じる。

 

そして、新選組を熱く語る男の話をニコニコと

「結局は時代を読めなかった田舎者のテロリスト集団じゃん」と

冷めながら聞き流してた。

 

しかし、幼い頃から

「人として」ではなく

武士として藩に忠誠を誓う教育を叩きこまれ

それを美しいという価値観で育った彼らが

簡単に強い方へ強い方へと

なびけないのも仕方が無いと思った。

 

それに今みたいに

情報なんて簡単に手に入らないからね。

 

で、「新選組最強」と聞くと

威厳のある風貌が思いつくが

この作品で描かれる中井貴一は垢抜けなくて

金に卑しい田舎侍だ。

 

しかし、それには理由があり

いつの時代もプライドを捨ててでも

守るモノがある人が一番強いのだと感じた。

 

で、私たちは今、明治維新並みに

先の見えない時代を生きている。

 

そろそろ函館・五稜郭の桜が咲き始めるけれど

箱館戦争を実際に目撃したのは

もう函館山を始めとする

現地の自然だけ。

 

今の私たちは

当時の人たちより立派に生きているのかな?

芽吹いた桜の樹を見ながら

そんな事をふと考えた。

 

時代が揺れ動いてる時の行動は

その人の本質そのものが問われる。