私たちを選んでくれた

 

 出産する病院を決めて少し気持ちが落ち着いてきた頃、私はなぜか超ポジティブで、こう考えるようになっていました。

 

 「この子(おなかの子)は自分が難病を持っていることを知っていて、もしかしたら長く生きられない命かもしれないことも知っていて、だからこそ、私たち夫婦を選んでくれたんだ

 

 親の勝手な考えであることはわかっていますが、こう考えると気持ちが少し楽になり、うれしい気持ちにさえなりました。「選んでくれたのなら、全力で守ってあげなければ……!この子のために強くなろう、強くいよう。親としてできることは何でもしよう」。そう心の中で誓いました。

 

 

子ガチャ大当たり

 

 「親ガチャ」という言葉自体、私はあまり好きではありませんが、「親ガチャ」があるならば「子ガチャ」もあると思っていて、あえてその言葉を使うのなら、この子は「大当たり」なのです。

 

 だって、難病「完全大血管転位症」は4000~5000人に1人の確率と言われているんです。0.02%ですよ!宝くじか!w

 冗談はさておき、とにかく、この子を大当たりだと思っていた私。そうとでも思わなければ、精神的に不安定になる瞬間があったのも事実です。だから、この子は神に選ばれたんだ、大当たりでとってもラッキーなんだ!と思い込むことにしました(普段は神様とか信じないタイプですが、、)。

 

 

最強の画数

 

 親としてできることなんて、限られています。どう頑張っても病気を治してあげることはできないので、おなかの中で育てることと、生まれた後に最善の治療をしてくれる病院を選ぶことと、名付けくらいなもんです(私の場合です)。

 

 というわけで、病院の待ち時間などを活用して、名前の画数を調べまくりました。名字と相性のいい画数は……これだ!!!選んだ基準は最強の画数であることと、響きと、漢字の意味です。意外とあっさり夫と合意し、名前が決まりました。

 

 

 あとは生まれてくるのを待つだけ。そう思っていた矢先、切迫早産で入院することになるのでした。

 

 

つづく