サードオピニオン

 

 二つの大学病院での診断が違っていた私のおなかの子。我が子の病気は一体何なのか正確に把握するため、私はサードオピニオンを求めて自宅近くの小児医療センターを訪ねることにしました。

 

 紹介状を持って待合室でしばらく待っていると、看護師さんに案内されて中の部屋へ。室内を暗くして横たわると、先生がさっそくエコーを見始めます。

 

 

 あくまでも私の体感ですが、なんと開始3~4秒で「これは完全(大血管転位症)で間違いないですね」と断言されました。

 あまりにも早くて、ちゃんと診ているのか不安になる余裕もなく、「ぱっと見てすぐに断言できるなんて、この先生すごい!すごすぎる!!!きっと多くの胎児を見てきたんだろうな」と感心したほどでした。

 

 

執刀医

 

 さすがにこの時点で「この子を小児医療センターに託そう」とまでは思えませんでしたが、もっといろいろな人から小児医療センターの情報を集めてみようと思いました。私の気持ちは小児医療センターに傾きつつありました。

 

 以前、二つ目の大学病院を紹介してくださった知り合いの医療従事者の方に、小児医療センターについて尋ねてみると、悪くない答えでした。「小児」と言うだけあって、小児に特化した病院だからです。

 

 もう一人、小児医療センターに数十年務めているという看護師さんとたまたま話す機会がありました。執刀するかもしれない医師について尋ねると、「私見ですけれども、このセンターの〇〇(名医)は腕はいいと思います」。

 

 ただ、問題が一つ。エコーで見てくれた先生がどんなに優れた医師でも、執刀医は別の医師であり、誰が担当するかは分からない点です。

 

 

賭け

 

 正直、賭けだと思いました。さすがに診断名を間違えた最初の大学病院は除外して、二つ目の大学病院にするか、近所の小児医療センターにするか、どちらも正しくて正しくない気がしました。つまり、手術がうまくいくかどうかは、次第だということ。

 

 どちらも名医は揃っています。ただ、その名医が執刀してくれかどうかはわかりませんし、たとえ名医でもその日のコンディションが悪い場合もあります。それに手術はチームで行うものであり、周りのスタッフとの信頼関係やチーム全体のパフォーマンスも重要な要素になってきます。

 

 しかし、それらについては調べようがなく、少し雑な言い方になるかもしれませんが、この子の運に任せるしかないのでは?と思うようになったのです。

 夫と相談を重ね、「小児に特化した小児医療センターにしよう」との結論に達しました。私たちは、この子の命運を小児医療センターに賭けることにしたのです。

 

 

つづく