先週金曜日、22年半もの長い間、一緒に暮らしてきた
老猫が、天寿を全うし、天国に旅立ちました。
野良ちゃんでしたので、誕生日はわかりませんが
おそらく我が家にやってきたときは、生後3ヶ月くらい、
1989年の春生まれだったんだと思います。
こんなおチビちゃんでした。
決して愛くるしい猫ではありませんでした。
好奇心旺盛で、いたずら好き、頭脳明晰、本当に賢い猫でした。
その行動のひとつひとつを書き出してみれば、興味深いもの
ばかりで、一冊の著書になるかもしれません。
もしかしたら猫の着ぐるみを着ている別の生き物なのでは
ないかと、そんな話をしたものでした。
22年半を振り返れば、それは私自身の自分史を
振り返ることにもなります。
反抗期真っただ中だった息子が、学校帰りに拾ってきた子猫。
当時、私とは話をする息子でしたが、主人とは一言も口を
きかない頃で、主人は主人で、まるであんたが反抗期かよと
突っ込みたくなるほど、息子のやることなすこと全部猛反対。
そんなわけで、この子猫の存在を主人が認めるわけもなく、
結局、息子は自分の部屋でこの子猫を育てると捨て台詞を
残して交渉は決裂しました。
そして本当に、それから3年間、息子の部屋だけで
この子は暮らすことになりました。
もちろん、私も手伝いましたが、息子は息子なりに
精一杯めんどうをみていました。
その後、大学入学のため自宅を離れた息子に代わり
私が19年間、育ててきました。
忘れられない思い出は、たくさんありますが、
今でも目に浮かぶのは、大学の休暇で自宅に戻った
息子が玄関のドアを開ける音を聞きつけて、
3階の息子の部屋にいたこの子が、息子がおもちゃとして
与えた、自分の身体より大きなぬいぐるみをくわえて
ころがり落ちるように迎えに玄関まで降りてきた様子です。
猫は、家に付いて人には付かないと言われます。
実際、そういう面があるのも事実ですけど、
この子のように、まるで犬のような行動をする猫も
いるんですよね。
今から4年前、2007年の在りし日の写真です。
陽だまりで、気持ちよさそうに寝ています。