最大余震まだまだ…福島原発“無限”地獄 チェルノブ級「レベル7」

                            (ZAKZAKNEWSより)

経済産業省の原子力安全・保安院は12日、東京電力福島第1原発の

故を国際評価尺度(INES)で最悪の「レベル7」に引き上げた。

4号機付近では12日朝にも出火があるなど収束の気配は見えず、

福島の放射性物質放出量はチェルノブイリを超える可能性も出てきた。

その苦境に追い打ちをかけるのが、相次ぐ余震。

11日には福島県や茨城県を最大震度6弱の余震が襲い、

12日午前にも千葉東方沖を震源とする震度5弱の余震が発生した。

気象庁は今後も震度7クラスの余震を想定しているという。


レベル7(=深刻な事故)は史上最悪の原発事故とされる

旧ソ連チェルノブイリ原発事故と同水準。原子力安全委員会は、

これまでに福島第1原発から最大で毎時1万テラベクレル(テラは1兆)

の放射性物質が放出され、これが数時間続いたと試算。

INESは外部への放出量がヨウ素131等価で数万テラベクレル

以上でレベル7と規定しており、保安院もこれに該当すると判断した。



一方、東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「放射性物質の

放出を完全には止められておらず、放出量がチェルノブイリに匹敵する、

もしくは超えるかもしれない懸念を持っている」との見解を示した。

そんななか、12日午前6時38分ごろには、第1原発4号機放水口付近で

出火があった。出火場所はサンプリング建屋で、自衛消防隊が出動し、

午前9時12分に鎮火が確認された。けが人はなかった。

東電によると、津波でサンプリング建屋の屋根がなくなり、

むき出しの状態になったバッテリーから漏電した可能性があるという。

依然として収束のメドが立たない福島第1原発。その危機的状況に

追い打ちをかけるのが、連続する余震だ。11日の福島県浜通りを

震源としたマグニチュード(M)7・0の余震を受け、気象庁地震予知

情報課の土井恵治課長は会見でこう指摘した。



「M7、8クラスの地震は、1カ月くらいで余震活動が低下するが、

今回はM9と規模が大きい。内陸の浅い震源の余震の場合は、

震度7の揺れも想定する必要がある」

この日、政府の地震調査委員会では、阿部勝征委員長(東大名誉教授)が、

東日本大震災について「海外ではM9クラスの地震が起きているが、

日本付近では『M8級が最大』との思い込みにしばられていた」との

認識を示していた。地震学の権威でも「想定外」の巨大地震は、

余震の規模でも学会の常識を超えている。

実は、気象庁の土井課長が発した警告には“実績”がある。

大震災から1カ月になるのを前にした7日、「当面は震度6弱~6強の

大きな余震が起きる可能性も否定できない」と指摘。

宮城県を中心に最大震度6強の余震が襲ったのは、その日の深夜だった。

■「M8」クラス発生の可能性も

その土井課長が11日の余震で最も心配するのは、発生した場所だ。

震度6弱を観測した福島県いわき市の内陸部は、今回の東日本大震災

起きるまで、30年近くもM4以上の地震がほとんど起きていない地域だった。

そのため「大地震が非常に大きな地震だったため、地殻の状態が

広く影響を受けている。(岩手~千葉県の)余震域の外でも強い

揺れがあり得る」と注意を促した。

これまでのM7級の余震はすべて海域で起きており、陸域は初めて。

「震度7」「余震域外」「陸域」というキーワードから、都市直下型の

大地震という恐怖のシナリオもよぎる。同時に、福島第1原発事故では、

巨大余震や津波が作業を阻み、状況を悪化させることも懸念される。



原発や首都圏での生活を不安に陥れる余震。

一体いつになったら収まるのか…と誰しも思うだろう。


だが、過去の超巨大地震をみると、発生後何年間にもわたって

“大地震クラス”の余震が起こっているのが現実だ。

2004年12月26日に発生し、巨大津波を引き起こした

スマトラ島沖地震(M9・1)は、約3カ月後の05年3月28日に

M8・6という余震が発生。数メートルの津波が起こり、1000人単位の

死傷者が出た。このスマトラ島沖では、07年9月12日にも

M8・5、09年から10年にかけてはM7級の大地震の余震が

4回も起こっている。

地震学者の間では、「余震は本震のマグニチュードから1少ない

規模となるのが常識」とされている。今回の本震はM9・0のため、

M8級の余震が発生する可能性は十分ある。

ちなみに、1995年1月17日の阪神・淡路大震災はM7・3。

今回の地震がいかに大規模なのかが分かる。

東日本大震災で最も規模の大きい余震は、本震の約30分後に

起きたM7・7だった。しかし、気象庁の土井課長は「これが

『大震災の最大余震』と評価できる段階ではない」と指摘している。

そして、こんな警告も。

「日本のどこででも地震が起こることを考え、誰もが心構えをしてほしい」



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国際放射線防護委員会(ICRP)も想定していなかった事態が

今回の福島第一原発の事故では起きているとのことです。



通常、事故は数日間で収まり、10日間程度で復旧期に入ると想定

されている。 チェルノブイリやスリーマイルのときは、このシナリオ通りに

進んだが、福島では、1か月が過ぎても放射性物質の放出が続いている。



かつて経験したことのないことが起きている。そして最悪の事態が起きる

可能性も残っている。 (朝日新聞、本日の朝刊から転載)




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3月11日の震災が起きた時、そして原発の事故の報道がされたとき

頭をよぎったのは、もちろんチェルノブイリの原発事故でした。

テレビの中で、専門家が「チェルノブイリとは比較にならない。

日本の原子力発電は、何重にも守られているから」と言っていた。

でも、アメリカや諸外国は、福島から80キロ離れるようにとの

指示を出していた。 それは最悪の想定をしたからだとあとになって

説明があったけど、その最悪の想定にどんどん近づいていってる

のではないでしょうか。