コンクールの結果について、

「あの時、あの音を間違えさえしなければ、きっと入賞できたはずだ。」


そんな話を、よく耳にします。


ミスをしたことは、本人が、一番悔しいと思っているでしょうし、気にする人は気にするのでしょう。


しかし、偶発的に起きたミスひとつを取り上げて、合否を決めるかといえば、それはまた話が別だと思います。


そもそもコンクールというのは、人が人を選ぶ営みです。


カラオケや音ゲーのマシンのように、機械的に音程の違いを判別して、機械的に点数を付けるというものではありません。


専門的な耳を持つとされる人が、何人かで聴いて、良いと思う演奏を選ぶわけです。


そこには、審査員の音楽についての見識や、個人的な趣味が、少なからず影響します。


音楽の専門家の耳で聴いて、何が音楽的か。

それが評価の基準です。


この基準は、審査員が、高い見識と音楽的な良い趣味を持つという前提のもとに成り立っています。


もし、ミスの有無だけでしか、演奏の良し悪しを判別できないのだとすれば、その審査員は音楽的な素養は持っていない、ということになります。


その場合、人が審査する必要はなく、音程を判別する機械を置いておけば良い、という話になります。


コンクールというアカデミックな場では、そのような残念なことが無いよう、祈るばかりです。


さて、審査員の方々が、高い見識を持った専門家であるという前提で話をします。


すると、振り返るべきは、ミスの有無ではなく、音楽的な内容であることが分かります。


心に歌があり、よく響きを聴いて、まるでアンサンブルを指揮しているような演奏は、多少のミスタッチなど気にならないものです。


大切なのは、自分の声を、自分の音楽として、人に伝える力なのです。


ぜひ、音楽の語法を磨いていきましょう!


ではまた☺️

🎼川端優也ピアノ塾